内容説明
一回しかない人生をどう過ごすかは、個々の人間にとって、大きな課題である。人生には思うようにならない場面はしばしば起きるものだが、そのときどう対処するか。それによって自分の人生の主人公になれるか、負け犬になるかが決まる。幕末の思想家、佐藤一斎は名著『言志四録』で、「天下のこと、もと順逆なく、わが心に順逆あり」と喝破している。「順境や逆境は自分の外にあるのではなく、自分の内にある。自分の弱さに勝ってこそ、世の荒波を乗り越えていける」というのだ。私はこの言葉を引用して、聖光学院高校の野球部の選手たちを励ましている。天風先生は自分の弱さに打ち克つにはどうしたらいいか大いにヒントになる「心の運用の仕方」を語っておられる。今回も逆境を乗り越えてこられた方々が、天風先生の言葉を実際にどう応用したかを紹介した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ブック
6
聖光学院野球部の斎藤監督、臨死体験の木内鶴彦、脳科学者のジルボルトテイラーなど、気になる人の名前が次々に飛び出し、様々なことが繋がっているのだなぁと感じさせられた。人は本来、ネガティブな言葉を発する必要などないのだが、その考え方そのものに懐疑的な人もいる。そういう人は自ら道を切り開くチャンスを投げ捨ててしまっていることが本当にもったいないと感じる。しかし馬を水飲み場に連れて行くことはできても、水は飲ませられないのだ。主体的に生きることの価値を誰もが認識していれば、この世はもっと素晴らしい場所になるだろう。2023/11/22