覇王の贄

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覇王の贄

  • 著者名:矢野隆
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 光文社(2015/04発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334929909

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内容説明

「一対一での勝負で此奴を殺せる者を連れて来い」。覇王・織田信長が拾った、最強の剣客。誰にも負けない。殺すまでやめない。その男を、殺せという。秀吉、長秀、勝家、利家、嘉隆、そして光秀。命を受けた信長麾下の名将たちが、次々と刺客を差し向けるが……。圧倒的な強さを持ち、馴れ合うことを拒絶する、血に飢えた化け物。信長が惚れ込んだこの男・新免無二斎に、死角はないように見えた――。ド迫力の格闘時代小説!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とん大西

91
覇王信長が手元で飼い慣らす最凶の剣豪・新免無二斎。「コイツを殺せる奴を連れてこい」-主君の気紛れで残忍なパワハラに従わざるを得ない織田部将軍団の面々。信長に対する秀吉、勝家、利家、光秀ら歴戦の強者ども。主君と家臣の腹の探りあい。あまりにも力を持ちすぎた覇王の前に蹴散らされる強者どものあわれな本音が垣間見えるところは面白かった。でもラストはいただけないかも。武人のプライドを語った中盤の勝家編からの盛り上がりが最終の光秀編で雑な印象を感じて全体的にモヤっと。ちょいと残念。2018/05/20

keith

21
信長が拾った凄まじい腕を持った野武士、新免無二斎。信長は秀吉、丹羽長秀、柴田勝家、明智光秀らの配下の武将にサシで無二斎を殺せる者を連れてこいと厳命される。信長のサイコぶりもそうですが、信長の理不尽な要求に振り回される秀吉や長秀らの描写が本当に彼らの性格を反映しているようですごく面白かった。2018/03/06

マサキ@灯れ松明の火

12
信長の新たな「玩具」…名を「新免無二斎」。「血に餓えた獣のような化け物」。人の心を無くした鬼畜の如き殺人者。信長の命を受け、無二斎を殺せる者を探さなければならなくなった秀吉、長秀、勝家、利家、嘉隆…そして、光秀…先の五名は、それぞれの気質を表す者を送り込んだ…結果は…言うまでも無いこと…最後の光秀の選んだ者とは?2016/07/25

二分五厘

11
安土城庭園の砂利を血で染める男、新免無二斎。信長が満面の笑みで命じる「此奴を殺せる者を連れて来い」贄を捧げるは……『秀吉』主と無二斎には人としての弱さが欠けている。『長秀』この世に絶対の価値は存在いたしまする。『勝家』暴を滅するは武。『利家』異形どもの理解しがたい才。『嘉隆』己の目算はどこで間違った?『光秀』信長は無二斎に憧れている。……無二斎を倒せる者、それは己だ。己の欲したのは信長なのか、それとも……。たまらなく羨ましく憎い存在に迸る激情。強者が強者であってはならない。幕間で語らう蝮の娘は何を望む。2018/01/08

色々甚平

11
信長の元に現れた剣豪無二斎。家老たちに無二斎を倒す者を連れて来いと命を出す。それぞれの家老たちは細かい人間性より合理主義、階級主義、器用貧乏、腰巾着…など大まかなキャラで作られ、それらが己の求める形で人を選択する。その中でも、天下布武を唱えた信長が自分の持ち駒である家老たちと最凶の剣豪を戦わせることで自分の楽しみ、権威を誇示しようとしている姿もなかなか見応えがあった。無二斎含めすべてが信長の駒、贄であり、彼のために存在している姿が見える。描かれなかった決闘以外で信長と無二斎は何を話していたのか気になる。2015/12/31

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