内容説明
長屋王・発願(ほつがん)の写経に携わった下級官吏・東人(あずまひと)は、長屋王の付した跋文(ばつぶん)に秘かな危惧を抱く。やがて、身分の壁に出世の望みも絶たれた彼の前に、予期せぬ運命が。一方、天武天皇の皇子・新田部(にいたべ)は死の床で長屋王の変を回想していた。生涯一度の一族繁栄の好機を逃したことに後悔しつつ……。権勢をほしいままにした長屋王を自尽(じじん)に追い込んだ真相とは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
琵音
1
長屋王の変にかかわった人々のその後を書いた小説。タイトルだけでは、奈良時代が舞台の殺人事件を描いたミステリを連想しますが、ちょっと違います。古代史・奈良好きとしては、関係ないんですが。藤原武智麻呂の姿の描写が、かつて読んだ少女漫画と随分違っていたのが、少し印象に残りました。でも長屋王の描写については、割とその通りかな、と思いながら読んでいました。2017/01/17
sa-ki
0
「長屋王の変」が人生の分岐点となった人物を描いた歴史小説としてならそれなりに楽しめるが、歴史ミステリとしては物足りない。2009/07/22