内容説明
兄の親友であるブライスが姪の洗礼式に出席すると聞き、ジェネッサの心は激しく動揺した。兄は私とブライスが今回初めて顔を合わせると思っているけれど、実のところ十二年も前に出会っている。しかも、会った瞬間からお互いに抑えがたい欲望に駆られ、危うくベッドをともにしかけた……。その出来事はジェネッサにとって屈辱的な結果となったが、彼女はいまだにブライスを忘れられずにいた。洗礼式の日、ジェネッサは熱い情熱がよみがえることを願った。しかし、ブライスの顔に浮かんでいたのは怒りと蔑みだった。
感想・レビュー
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糸車
22
ヒロイン父は母が亡くなったと子どもに嘘をつき、離婚。母親似の自分を認めてもらえず孤独に育ったヒロインは父の反対を押し切って画家に。暴力を振るう父から逃れ母は幼いヒーローを残して行方不明に。それぞれ家族から見捨てられ愛に対して臆病な二人が惹かれ合い、反発しながら求め合う。ヒロインは娘に歩み寄ろうとする父、生き別れた母に向き合う勇気を持ち未来へと一歩踏み出しました。ヒーローはヒロインの姿勢に影響され封印していた過去に向き合うことに。ヒーローの方が傷が深く頑固ですが一途に惜しみない愛を捧げるヒロインの強さが◯。2021/08/20