内容説明
首都圏の中堅行・東都相互銀行は巨額の不良債権にあえいでいた。銀行を私物化してきた創業者一族と、これを排除しようとする経営陣。首都圏進出を狙う関西系大手都銀の影。政官財の巨大な陰謀に飲み込まれていく。
感想・レビュー
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まさとん
1
この小説にモデルがあったとは知らなかった。結局力のあるものが勝ち、力のないものが負ける。正義とは関係なく。遺書に中にあった一文が印象的であった。「国家には秩序の維持が必要であることは否定しません。しかし、秩序の維持と正義は相容れないことがあります。そんなとき検察はどう行動すべきなのか。私とて、秩序をすべて無視しろと言うつもりはありません。ですが、やはり正義に重点を置いて行動すべきであり、そうしなければ検察の存在意義を失う、そうではないでしょうか」秩序の維持とは政官財の利権維持のことである。2013/12/22
koishikawa85
0
平和相互銀行のいわゆる金屏風事件がモデルの話。展開はなかなか面白いが、説明がうまくストーリーの中に溶け込んでおらず、小説としてはへたくそ。ただ大塚氏が主人公の弁護士に自己を投影していることは最後の遺書からもよくわかる。2010/09/26