内容説明
沖縄の詩人・高良勉の琉球文化・芸術論の集大成。世界遺産として登録されるに至る琉球弧の文化遺産にたいする当事者としてのかかわりの記録もふくめ、琉球弧の独立までも視野に入れた論考は現代の沖縄人の発想の必然性と思想的方向性を集約したものといえる。琉球弧としての視点で沖縄のアーティストの魂に触れながら、著者独自の論点である〈文化遺伝子論〉を軸に沖縄と日本、少数民族との関係、また東アジア各国において琉球人のあり方についても考察をくわえる。
目次
第1部 琉球文化論
世界遺産論
文化遺伝子論
琉球文化論
第2部 琉球芸術論
絵画批評
写真批評
芸能批評
第3部 比較文化論
琉球文化と日本文化
アイヌ民族文化と琉球文化
岡本太郎論:『沖縄文化論』を読みなおす
サハリン紀行
アイヌモシリ紀行
韓国紀行
中国紀行
台湾紀行
フィリピン留学記
インドネシア紀行
ブラジル紀行
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
8
文化遺伝子ということば(30頁)。DNA遺伝子をモデルに、文化や精神、観念継承や創造を考えるという。琉球文化は多様かつ重層的。多様な個性(35頁)。「異文化接触や異文化交流を行なった方が、活性化し、新しい創造力が生まれる」(40頁)。しかし、田舎では異端を排除する、いじめを平気でする輩も多い。だから、だめな地域社会になり下がる。芸術は克己。自己作品を打ち倒し、新たな創作に向かうもの(115頁)。克己心のないわたくしからすると、芸術に打ち込んで格差とか不愉快から解放されないといけないな。2013/12/25
メルセ・ひすい
3
15-66 第二評論集『琉球弧の発信』‘96~ 15年の編集書 石の文化…木がなかった… 琉球弧では、太陽・月・星・海・山・川・風・水・土・火・石・牛・馬・猪・ヒト・等々…自然界の全てが 「カミ」として崇拝されている。琉球文化と日本文化、少数民族、東アジアとの文化的対比を通して琉球弧のあり方を考察し、 沖縄の世界遺産登録へのかかわりや琉球人としての視点から琉球の文化やアーティストなどを論じる。 2011/09/23