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内容説明
世代を超えて多くの読者の支持を得た名著がヤマケイ文庫でよみがえる!
京都府立大学山岳部OBで、ラトックII峰、ディラン峰などの遠征を行い、国内においても剱岳東大谷での積雪期初登記録を持つ高田直樹氏のエッセイ集。
氏が大学山岳部時代から経験してきた山での出来事を、京都弁のタイトルのようにソフトな語り口で紹介してくれる。
冬の剱岳での遭難体験、黒部川源流での釣りと焚き火の日々、京都北山でのひとりぼっち夜・・・。
そこに描かれた体験と思索の数々は、山のきびしさ、やさしさ、愉しみ、苦しみを伝えながら、さらに「生きる」意味までをも読者に考えさせようとしている。
長い間、教育者として活躍されてきた氏ならではの鋭い視点を、京都弁でやさしく包んで描いた青春の書にして文明批評の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
63
雑誌『山と渓谷』に1975年から1977年に連載された山にまつわるエッセイ。山と言ってもハイキングとかトレッキングではなく、あくまで登山。硬派なのである。当時、当然インターネットもなければ、ゴアテックスという素材もなかったであろう。もちろんGPSなんてものはSFの世界。だからか、書かれていることがバンカラなのだ。でも、ユーモアたっぷりに書かれており、楽しく読むことが出来ました。2017/09/19
goro@80.7
43
40年も前に山と渓谷に連載されて文庫化されたものだけど、読みながら今も変わらないなぁと思えた。山の難しい話じゃなくて当時の世相とかね。京都弁の文章がゆるい感じて良いわ。なんで山登るねん?との問いは各自それぞれって事で良いわいね〜。テント張って釣りして過ごしたいけど釣り出来ひんなぁ🎣2019/07/19
roatsu
25
なんでもっと早くに読まなかったかなーと反省しつつ貪るように読了。初版は70年代だけれど些かも色褪せず、今もみずみずしく読み手の感性を刺激するご自身の登山と人生の軌跡。ハッとする考え方や洞察に満ちている。高田さんが仲間と盛んに岩や山を攀っていた往時の登山が持つ大らかさや自由さ、日本人のプリミティブなタフさは今日から見れば眉を顰めるような点もあるにせよ何とも羨ましく眩しい。同世代の父から聞いた若き日の登山模様が思い浮かぶ。有機的な自然が山頂まで詰まった日本の山に無機的な西洋型登山概念を輸入した混乱について述べ2017/10/01
KK
4
登山に対する解釈は極めて俗人的だが、一人で登ることはつまらない。自分と何かをすり合わせるようにして自己の満足を追求する登山は、どこかで何かを我慢しているのかもしれない。本書を読んでみて、著者の強い様で、時として心が揺らぐ描写が興味深かった。1970年代といえばすでに半世紀近く前の話だが、心の在り方は今と変わらない。2018/05/31
つちのこ
3
1979年頃、単行本で読了。『山と渓谷』誌上で連載されていたので、毎号楽しみに読んでいた。