内容説明
世界の総人口の1パーセントが特殊能力を持つ“超能者”として生まれる。一般人と違う彼らの一部は成長してテロリストになる…2013年、自身も能力者である調査員クーパーは、相手の行動を先読みする力を駆使し、悪の能力者たちを排除してきた。その彼の最大の敵、罪のない市民73人を殺害した容疑者“超能者”ジョン・スミスが、米国の根幹を揺るがすテロを計画しているという。クーパーは悲劇を防ぐことができるのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すけきよ
16
あらすじだとSFっぽいけど、実際は、よくある潜入捜査官もの。特色は、やはり超能者の存在。ただ、これがサイコキネシスや発火能力ではなく、人の動きが読めたり、計算がずば抜けている、といった地味なものw 能力者によって改変された世界は、時折挟まれるCMやチラシによって掘り下げられている。そこは、我々の世界の問題が解決されているにもかかわらず、別種の争いと差別が存在する。世界を支配するには、目からビームを出す必要はなく、株価変動のパターンが読めればいいのだ。実はシリーズで、今後、世界はどうなっていくのか気になる。2015/04/02
浦井
7
読み終えて冷静になってみるとアメリカでよくある2時間半くらいの映画みたいな話なんだけど、なんだかんだいって600ページ読んでしまったし、続きも気になる。2015/06/18
sanosano
5
部分ごとはよく書けていて面白いんですが、全体を通すとツッコミどころ満載。予定調和なB級映画と思って読めば、それなりに楽しめます。ちなみにこれ、「超能力」じゃなくて「超能」なので、間違えないように。2016/02/11
ぶうたん
3
本書では『超能』というあまりなじみの無い言葉を使っている。これはサイコキネシス、テレパシー~のようなバビル二世のような力ではなく、感が鋭いとか相手の動きが予測できるとか、ガンダムのニュータイプのような、ちょっと優れた力を指している。なのでそこのところは添え物的で、物語的にはエスピオナージそのものである。そういった力を持つ者と一般人との対立も『スラン』の頃から確立された構図なのでSFというには弱く、NVレーベルに相応しかろうと思うし一般的な読者は獲得しやすいと思われる。良くも悪くもアメリカのエンタメ。2015/06/11
Subtle
3
「魔女を火あぶりにした男--彼は人が焼け死ぬのを見たかったのだろうか? それとも自分が悪魔と闘っていると信じていたのだろうか?」がテーマ。話の筋は捻っているけど予想の範囲内。プロットよりも、斜に構えた文章が楽しめた。2015/05/14