内容説明
夫と会話をしなくなったせいか、母が亡くなった年齢に近づいているせいか、子どもたちが大きくなってきたせいか―。どことなく張り合いのない日々を送るアリスは、“妻22”として結婚生活についてのメール調査に参加することになる。しかし、匿名で率直な回答をつづるうちに、アリスはアンケートの送り主である“研究者101”に惹かれはじめて…。人生の真ん中で途方に暮れる大人たちを温かく描いた、笑いあり涙ありの長篇小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
niisun
17
海外文学の翻訳本を読むのは不得手なのですが、この小説は、楽しく読めました♪ “ミッドライフクライシス”を迎えた夫婦とその家族を取り巻く再生の物語。こういう20~30代の女性をターゲットにした大衆小説を“チックリット”と言うそうです。仕事に恋に一生懸命な女性が、人間的な欠点をさらけ出し、様々な試練に遭遇しつつも、幸せを掴んで行く手合いの話で、代表的な作品が『ブリジット・ジョーンズの日記』と言えばイメージは湧きやすいですね。華やかではなく、非常に人間臭い物語ですが、味わい深く、映画にしても面白そうですね♪ 2015/07/17
Yoko
10
多くの人と繋がっているようで身近な存在とさえも繋がれていないのかも、そんな今という時代。44歳の主人公が経験する日常や心の揺れそして夫婦、家族の危機がいかにもアメリカ的でありながらリアルに描かれている。そして何よりこの構成。挿入されるメール、Google検索、SNSなどからいろいろ読み取る趣向が楽しい。映画化も決まっているようですが、想像するだけで楽しいですわ。2016/05/09
浮草
5
45歳、亡くなった母の年齢を越えることに身構え、思春期の子どもたちとの対応に悩み、会話をしなくなった夫との関係を見直す。途中から研究者はあの人かな、と思っていた。「ルームメイト」の夫婦関係、日本では多いのではないかと思うけど、アメリカだと改善すべきなんだねぇ。アリスは旦那の好きな点をいくつも見出しているからよいなあ。ネット社会だからこそのお話。年齢的にも状況的にも非常に近いので、今、出会えて良かった1冊。2020/01/14
GO-FEET
4
「今では私たちはもう、自分たちの経験も、記憶もーー言ってしまえば人生全体がーーネットに投稿しないかぎり実在しないと感じるようになってしまった」「…考えてみると、ルームメイトって結婚の中盤における自然な段階なんじゃないかなって気もするの。そうあるべき夫婦の形なんじゃないかなって」「そうねーー愛する人に冷たくするのが一番簡単だから」 ★★★★2015/05/25
バーベナ
3
メール調査の被験者に選ばれたアリス。正直に(ここ重要!)90の質問に答えていくうちに、その送信者との間に芽生える感情。夫にはうまく伝えられない言葉が、なぜ匿名のメールだと素直にでてくるのだろう。多分、そこには役割としての愛がないから?ラストからの教訓、忍耐力って素敵。2015/04/08




