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内容説明
うつの患者は百万人以上いるが、実はその多くは「適応障害」である。環境の変化になじめなかったり、対人関係がうまくいかずに生じる心のトラブルで、自信や意欲がなくなったり、体調不良、不登校、出社困難、依存症などの問題として表れる。過敏な人だけでなく、人一倍前向きな人もかかる、もっとも身近な精神疾患だ。「うつ病」と誤診されて治療すると余計に悪化し、長引く場合も。ではどうすれば改善するのか? どうにもならない問題や悩みを抱え込んだとき、いかに対処すればいいのか。すぐに実践できる方法を、百戦錬磨の専門医がわかりやすく紹介。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みゃーこ
95
適応障害とは何であるかについて理解し、症状の根底にある課題としての障害について理解する。そして人間が何かの障壁にぶつかった時、いかにしてその試練を乗り越えていくかについての極意書として精神医学の立場からエッセンスを練りこんだ本書は『適応』という観点で人生の様々な困難やその克服法を探る中で結局「適応とはその人がその人らしく生きること」と結んでいる。その人の特性と環境との相互作用として起こる幻を追いかけることではなく「その人の居場所や活かされる場」を調整する「その人」自身を「知る」ことが何より大切である。2013/12/14
としP
30
【祝★300冊目】うつ病と適応障害の違いから、フロイトやアドラーなど先達の考え、適応障害のタイプ、環境ごとの発生要因、そして発達障害の克服または予防策について結構詳細に述べられている。【追記】子供の発達障害について。不登校・学習についていけない子供もいるが、他の才能に秀でている場合もあるし、10代後半になってから、学習や読書といった知的活動に目覚めることもある。また、家族が安全基地として優しく甘えさせてくれる存在としてだけでなく、時に勇気づけ、叱咤激励してくれる存在であった方が良い影響を与える場合もある。2016/09/21
fishdeleuze
28
昨今、一言にうつといってもさまざまな様態が含まれており、その混在化した塊に適応障害という補助線を引いたものだと感じた。具体的には適応障害からうつへいたるまでの状態に焦点をあて、自分の気質、考え方や感じ方などの性格的傾向を理解した上で、こじらせないためには、また 、変えていくにはどうすればいいかを認知論的アプローチも踏まえて述べている。概して読みやすく親切な本だ。2017/12/02
ノリピー大尉
24
気持ちや思考の切り替えの訓練を行うようにすると、ストレスに強くなる。2015/10/04
ヨミナガラ
23
“困るのは、適応障害で起きているうつ状態を、うつ病と同じように治療してしまうケースが少なくないことだ。(中略)脳のレベルで異常が起きるまでには至っていないわけで、ある意味、合わない環境に対して、ごく自然な反応が起きているともいえる。それを、「うつ病」と診断し、抗うつ薬を投与されたり、ときには、「双極性障害(躁うつ病)」と診断され、気分安定薬と抗精神病薬を投与され(中略)本当の病人になってしまうのだ。(中略)「新型うつ」(中略)「逃避型うつ」とも呼ばれるが、その実体は大部分が適応障害なのである。”2014/05/07
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