内容説明
早稲田大学を卒業した23歳の僕には、それなりの未来が拓けているはずだった。でも、「それなり」などありはしない。32歳になるまで、僕が入社して、そしてクビになった3つの会社は、すべてが「ブラック企業」だった。システムエンジニア(SE)、先物取引、業界新聞……これがブラック企業の実態だ。この10年間、この国では何が起こってきたか? ブラック企業をやめ、ライターとなった著者が赤裸々に明かす、前代未聞のノンフィクション。
目次
はじめに
第一章 望まれぬ採用 ──早大卒業、SE会社へ
第二章 怒鳴られる日々 ──FX投資会社への転職
第三章 大人のいじめ ──業界紙記者になる
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
20
ブラックじゃなくてもこのヒトは無理だと思う。2015/05/19
aloha0307
11
表題見て、分かってないな~が契機。出版社の要請もあるのだろうが、自ら特権意識を表出したら、社会人としてはいい事ないです。いっぽう、SE、先物&外為証拠金業、地方出版社..酷すぎるよ。人としての尊厳を踵で踏み潰していいのか。銀行投資先の某社(一応上場会社)に1年出向したことがあるが、ここもB企業であった。パワハラ、セクハラetc.何でもあり。Bであるかの基準は、離職率と断言したい。とにかく退職者の多さに驚嘆した。もっともその会社は期末在籍人員の平均勤続年数を東証に開示。期中離職者は一切カウントせずに...2015/05/23
takizawa
8
著者・小林拓矢氏によるブログ記事をまとめたもの。(色々な意味で)すごい。ブラック企業での経験を詳細に綴った記録で書籍化できるレベルのものってあまりないので。SE(客先常駐型。プログラミングの独習をしている期間で解雇)→FX投資会社(運用はさせてもらえず、ひたすら営業電話。儲けの仕組みは詐欺)→物流系業界紙記者(プレスリリースを記事にする)と職種・業種ともに幅広く、企業の内実が分かる点は面白いかな。2015/05/16
かめぴ
7
腐ってる人っているよね。ブラック企業っていっても所詮は「人」だもの。が・・酷いねぇやるせないねぇと読み進みうちに、このイラッとする感じは、何。この著者がイラッとさせるタイプなのかも、とチラッと思った次第。2015/04/28
kokada_jnet
7
他人事ではないノンフィクション。「早大を出た」という題名が少しミスリーディング。著者はかつてのワセダによくいた、バンカラ型の人ではなく、「人間関係が苦手だが、勉強は得意だった」タイプで、自分も同じタイプの大学生だった・・・。就職氷河期時代は「頭がよくて、人間関係も得意」な人物しか、大手の企業はとらなかった。自分自身をふりかえってもそうだが、こういう繊細な心の人は、民間企業を選ぶより、公務員試験の勉強をして地方公務員になるほうがよいと思う。2015/03/22