講談社文庫<br> 白い遠景

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講談社文庫
白い遠景

  • 著者名:吉村昭【著】
  • 価格 ¥803(本体¥730)
  • 講談社(2015/04発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062930574

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内容説明

終戦を境にして戦時中から著しく変化した人間の不可解さを見きわめることを出発点とした吉村文学。現地に足を運び、戦争の生存者の声に耳を傾けた記録。また、大切な古本を庭に埋めて空襲から守った思い出や、文学とはなにかを学んだ「暗夜行路」の舞台を巡る旅など、作家の原点を浮彫りにした初期随筆集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

96
この本は昭和54年に出版されてその後文庫化されていなかったので、未読随筆集でした。前半は自分の作品の取材ノートなどが中心です。後半は読書論やほかの作家の作品についてのものなどあるいは身の回りの出来事などが収められています。取材ノートのほうはどこかで読んだものがあったりしましたが、吉村さんの作品に対する姿勢が垣間見えて再度読みたくなる小説などがあります。2015/09/26

キムチ

53
表題の持つ色彩感を密に感じた。白い→来し方は遠く、遥かなり…そんな感触。筆者の初期随筆とあるだけに原初の感慨が散発的に綴られ、それが線、太い幹となり吉村文学に連なって来たのだろう。戦争、北海道、囚人、漂流、そして歴史と文学etc。彼の心には無気味と言う感覚のアンテナが鋭敏に作用している様だ。読者もその対象らしく、しきりと呟いている。興味深く読んだのは「史実文学」作家誰しもが勝手な主観を弄するのではなく…と言う。ただ奔放な物語を繰り広げるのもあり、それは小説だ…と。2015/11/12

金吾

43
○吉村さんのエッセイは淡々と感じたことを書いており視点がわかりやすく、メモは読んだ作品の背景等が見え隠れして良かったです。「戦争と私」が面白く、特に「人間の無気味さ」は圧巻でした。2025/03/18

kawa

41
吉村ファンとしては、作品(戦艦武蔵、殉国、海の史劇、冬の鷹、ふぉん・しいほると、漂流、北天の星、赤い人、熊、熊嵐、烏の浜、関東大震災等)のサイド・ストーリーが知れる嬉しい随筆集。当事者からのインタビューにこだわる執筆活動が吉村文学のパワーの源泉であることが良く理解できる。太平洋戦を爆撃下の東京で過ごした日々と、戦後の手の平返し的な世相の変わり身に不気味さを感ずる吉村青年のピュアさにも共感。作家として名を成した後のサイン会や自作を書店で購入する読者の姿を目撃しての狼狽ぶりが微笑ましくも印象的。2024/07/05

たぬ

41
☆4 1979年に出た随筆集。執筆のための取材ノート、思い出話、日々のこと等々。日本全国(稀に海外へも)まめに足を運び多くの人に話を聞く。書いた作品の多さを考えるとこの方はとんでもなく頭の回転が滑らかだったんだろうなと思える。毎回かなりの量になるテープやメモを手際よくまとめ上げる頭脳なしには年に何冊も書けないよね。2022/03/17

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