内容説明
興信所の調査員・高倉圭介は中国地方の山奥にある赤猿温泉郷に赴いた。この鄙びた温泉に帰ってきた曰く付きの男「薮枯らし純次」の監視を依頼されたのだ。村人たちは何を怖れているのか? 村の歴史に纏わる秘密とは何か?官能的な旋律が村に響き、第一の殺人事件が発生。そして、次々に血腥い事件が起り、高倉は次第に、閉鎖された村で、瘴気ただよう闇の狂気にとりつかれてゆく…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
7
おもしろくないわけではない。ただ個人的には、物語の広がり方に物足りなさを感じたかな。奥行きはバッチリだけれども。 広島の山間部、鄙びた温泉村落・赤猿村に、藪枯らし純次が帰ってきた。母と姉を自殺で失い、村を離れた純次。復讐の為に舞い戻ったのかと怯える村人を後目に、純次は村おこしを宣言する… 単純な復讐談ではない。そして単純なキャラクターではない純次。物凄い魅力的な人物なのに、なんだか描かれ方が足りない。歴史的怨恨に引っ張られ過ぎて、純次が生きてこない。もったいない…。でもまぁ読み応えはあったかな。2011/11/17
rk
3
久しぶりの船戸与一、テンポがよく違和感のない話、どの様な結末になるのか気になる展開、それぞれの場面での登場人物に無駄がなく(女の子だけは他の方法が有ったのではと感じる)宿の女将も楽しい。2017/05/07
Pochi
3
久しぶりに船戸与一の小説を読んだ。いかにも船戸節の展開だった。本を置くことができない。まさにページターナーだ。うん、満足。2014/10/23
べんてん。
3
相変わらずの読み応え、冒頭からぐいぐいと読まされていく。なんだろうねこの牽引力は。最後もっと派手な見せ場にしてほしかった気もなくはないが、ここまでどっしりと読ませてくれればOKという気になる。ああ、「山猫の夏」とか読み返したいなあ。2012/09/20
st46max
3
比較的新しい作品だし、船戸氏の齢は70に近付いているが、実に元気だ。舞台設定が日本の錆びれ切った老人ばかりの温泉街なので、派手さは少し押さえ目ながら、いつも通りバタバタとやってくれました。相変わらず、食事のシーンは豊富だし、でかいハンバーグも喰っているし、多分、精神年齢は主人公達の30・40代なんだろうな。タイトルが「藪枯らし・・」と言うのも堪らん。2011/04/19
-
- 電子書籍
- 【単話版】ループから抜け出せない悪役令…
-
- 電子書籍
- 僕とポーク