内容説明
都会のナメクジは絶滅の一途(?)という噂の真偽を確かめるべく自ら発見マップを作成し,また全国の知り合いに呼びかけて観測情報を募る.歩きはノロノロだがキャベツはバリバリと頬張り食欲は旺盛だ.意外にも記憶力は強いらしい.二億年ずっと生活スタイルを変えずに生き残ってきたナメクジの生き方に学ぶ.
目次
目 次
まえがき
1 晩秋のナメクジ
季節外れによく出遭う/きっかけは娘のマニキュア/エスカルゴも同じ仲間/八〇年代に忽然と消えたキイロ/目撃情報からナメクジマップ/北海道は宝庫/東北にもチャコウラは進出/新しい外来種が侵入しつつある関東地方/皇居も小笠原もわが故郷青梅もチャコウラに占拠された東京/神奈川県も米軍施設周辺はチャコウラの天下/宙に浮くナメクジも、拝まれるナメクジもいる中部地方/近畿の海岸線はチャコウラの天下/中国・四国地方、瀬戸内の島にも進出するチャコウラ/チャコウラは九州・沖縄にも渡る/ヨーロピアンブラックが世界各国を席巻する?
2 銀の筋は何なのだ
逃げだしたチャコウラ/ 「ゆっくりと」の警句の下で憤死/頼りになるのは米ソの文献/粘液には七つの機能/一つの足でなぜ動く/四本の角は視覚、嗅覚、味覚のセンサー/口には二万七〇〇〇枚もの鋭利な歯/便秘のナメクジがいてもおかしくない/喘息のナメクジはいない?/脈拍は人間と同じ/男性器も女性器も併せ持つ/超節電型の脳
《コラム》 平和な退治法
3 闇に包まれたライフスタイル
夜な夜な徘徊する/多くは菜食主義/天敵にはコウガイビルも/寒さの中で産卵、孵化する/広東住血線虫が寄生する/塩が苦手、砂糖は大丈夫
4 なぜ生き残ったのか
独立記念日はいつなのか/殻を捨てたのはなぜなのか/恐竜が絶滅したのはなぜなのか/ナメクジが生き延びたのはなぜなのか/ナメクジ史観とは何か
5 ナメクジに引かれた人たち
ナメクジに憑かれた研究者/文学大賞は内藤丈草と中村草田男、清少納言や村上春樹は落選/語源はどこから?/薬にしていた地方も/なめくじ祭りの起源
6 ナメクジに学ぶ
エネルギー節約型の暮らし方/奪い合いから分かち合いへ/殻をぬぐ
あとがき
参考文献
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