幻冬舎文庫 そこにいる人

著者名：矢口敦子【著】

幻冬舎（2015/04発売）

• ISBN：9784344412651

内容説明

初めての恋めいた体験に胸をときめかせる大学一年生の直子。だが、彼女には姉・幸恵の存在が重くのしかかっていた。幸恵は肝臓に欠陥があり、長く患っているのだ。ある時、直子の不注意から姉の病状は悪化し、肝臓移植の必要に迫られる。自分の肝臓を提供すべきなのか、悩む直子がついに決断をした時……。「命」を見つめる感動の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[gonta19]

2009/2/13 7&yから届く。2016/3/14〜3/157年ものの積読本にして2年半ぶりの矢口作品。家族の関係について鋭いメスを入れる矢口作品。今回は肝臓移植を待つ姉と健康体に産まれた妹。お互いの孤独を描く。切ないながらも、最後のシーンに一抹の希望。

2016/03/15

[ワレモコウ]

再読本。大学一年の直子には、ずっと肝臓を患っている姉・幸恵がいる。母の入院中に幸恵の病状が悪化して、肝臓移植をしなければならなくなる。幼い頃から、様々なことを我慢してきた直子の気持ちは揺れる。家族一人一人の決断や、幸恵の覚悟…短編ながらギュッと詰まった作品だった。谷村さんがとても良い。

2021/08/05

[ともくん]

当たり前のように、ずっとずっと目の前にいると思っていた人が、突然いなくなる。 突然消え去られた時、後悔しか残らないのではないだろうか。 静かな日常の中での、突然変異。 僕達は、どうすれば対処できるのだろう。 生きていくことの難しさを知った。

2022/02/04

[カブ]

｢でも、それがなければ人間はこちらがわにいつづけられない。あちらがわに行くしかなくなる。仕方がないんだ。｣家族だからこそわかることがある。外からはわからない。

2016/10/02

[カッパ]

薄い本だったのでさらっと読めそうと手に取った。孤哀子の話でもあった。ある姉妹。姉は病気で妹は健康。まだ21歳であり幼さもある。移植しなければ生きられない時、母が倒れた時にこの家族はなにを選ぶのか？それが悲しい。私は妹が病気だったためわかる部分がある。私だったら、、、そんな風に思う。

2018/05/06