内容説明
西田枝美子は「北陽放送」の看板アナウンサー。「ミス北陽」と謳われた美人である。その枝美子も、今年で三十四歳。冷たく澱んだ北陸の冬は、身辺にも迫ってきた。ラジオへの転属をほのめかされ、孤独を味わう日々。が、そこへ一人の男が現れた。六歳年下のプロ野球選手の志村は、若く荒々しく甘美な情熱で枝美子を虜にする。その冬の終わり、男は枝美子の希望そのものであった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アコ
15
予備知識ゼロで図書館の棚から手にした1冊。20年前の小説なので、女の34歳がすでに立派なおばさん扱いだったり、FAXが多用されたりと時代を感じる箇所は多々あれど、男と女のあれこれは変わらないものなのかなと。いや6歳年下男性との恋愛もどこか珍しいように描かれているあたりも時代なのかも。林さんの小説はとにかく読みやすく、その文体のなかにハッとする言葉があるのが魅力。これも恋愛のみならず年を重ねた地方局アナウンサーの立ち位置や心理が脇役を上手く使って見事に描かれている。ラストが衝撃的だったけど違和感なし。2016/09/21
ミントント♪
4
再読。林真理子氏はそれぞれの年齢、条件、時期に応じた等身大の女性の気持ちを上手に書かれる。あるあるそういうこと、その気持ちわかるなあと共感出来る事も多くさらっと読める。結婚に少しあせった女性の年下の男性との恋愛過程とその終わりの哀しさに、そうくるか、という結末。どっちにころぶかは読み手次第の書き方で終わっているのがおもしろいし、恐ろしくもあった。2012/01/24
弘子
2
枝美子は男の背中を押したのか? 気になるところだ!2015/11/29
たぬ
1
★42012/07/15
ぞるば
1
変わったようで変わってないんだろうなと思いました。何歳でっていうことより、年齢を重ねていくうちに仕事も私生活も体も変わっていくし、いろんなことに立ち向かわないといけなくなる。人生の節目にいる女性からすると、若くて強い男性が希望に見えるのは、わかる気がします。派遣会社のパンフレットにある、やり直すのに年齢は関係ない的なコピーは社長が考えたのかって聞いたときの、違う、コピーライター(男)が考えたんじゃないの的な答えがけっこう刺さりました。「そう…」って。真珠色のスリップのくだり、好き。2018/07/23
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