新潮文庫<br> 本を読む女

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新潮文庫
本を読む女

  • 著者名:林真理子
  • 価格 ¥539(本体¥490)
  • 新潮社(2015/04発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101191126

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内容説明

万亀は本を読むのが好きなだけの平凡な女の子。しかし突然の父の死と戦争の始まりによって、彼女の人生は否応なく時代の流れに巻き込まれてしまう。進学、就職、結婚という人生の岐路において、常に夢や希望を現実に押しつぶされつつも、読書を心の支えに懸命に自分の人生を生き抜いた万亀。著者自身の母親をモデルに、一人の文学少女の半生と昭和という時代を描いた力作長編小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Aya Murakami

80
図書館本。 本を愛する少女~女性の話。赤い鳥にプロレタリアに魯迅に斜陽に…。時代や年齢が移るにつれて心を打つ物語も変遷しますよね…。そして今も昔も変わらないのは頭のいい女性を煙たがり、かつ目下の女性を道具のように扱うことがまかとおることのようです。主人公は祖母や母の人間関係やら欲望やらに終始振り回されていますが、そういう彼女も息子の命よりも…。家族というものは寄生虫のような卑しい一面も持っているのですね。2018/12/17

あつひめ

36
これだけ表現できるってやはり林さんは只者ではないかもしれない。大正、昭和時代女は人とは思われぬ待遇の時もあったかもしれない。その中で文学というものに生きる力、喜びをもらってがむしゃらに生きてきた主人公。家の中でも自分の意志とは違うものでがんじがらめにされてしまう。でもそれももしかしたらこの人の持つ強さの一つだったかもしれない。林さんの描く様々な女性を今まで読んできたけれど、一番好印象の女性だった。今なら何でもないことをあの時代に挑戦するあたり。女性の心の広さを感じさせる。2011/05/12

ちゃむほ

33
再読。主人公が人生の節目節目に読む本が主人公の姿と重なりました。万亀が懸命に生きようとする姿が印象的でした。万亀に自分勝手だなと思うところもあったり同情したりするところもあったりと思います。また成長するにつれ母親への接し方や見方が絶妙に描かれています。最後に太宰治の「斜陽」が出てきて私も読み返したくなりました。最後なんとか万亀が幸せ(?)な道になれてよかったです2014/07/01

MIHOLO

30
いやぁ、良かった!林作品の中で一番か二番目に好きかも。もう1つは「葡萄が目にしみる」主人公、林さんのお母さん自身強い人だと思う、いや強くならざるを得なかったんだろうけど。本を読んで生きていきたいと漠然と思っていた主人公が時代と家族に翻弄され、どんどん強くなって乗り越えていく話にぐいぐい引き込まれた。面白いと思いながらも、林さんやっぱり巧いなと客観的にも読んでる自分もいた。2016/05/20

ガーガー

24
昔と今ではずいぶん違う。正月は寝れないほど嬉しいものじゃないし、学校も今では普通に女の人も行くし、空襲に恐れる事もない。今って本当に幸せだな、と思った。2015/08/16

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