内容説明
正月に帰省した槇子は、生家が取壊され、テナントビルにされると聞かされた。胡桃の油で磨かれ黒光りする柱を眺め、柱に染みこんだ代々の女たちの思いを思うと、槇子は不意に自分の家を建てたい衝動にかられるのだった。女と家の共生関係を描いた表題作、学生時代の友人への複雑な感情を扱った「女ともだち」、煙草と男への拘りを語る「シガレット・ライフ」など4編を収めた短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なつ
16
女だからわかる「女」のお話でした。女ともだちは、もう、見に覚えがありすぎ。滑稽だなとは思うけれど、これがなかなか、同姓にはる見栄みたいなものは多かれ少なかれあるんじゃないだろうか。女特有の女心理が巧みに書かれていました。2014/11/20
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5
親族間、友人グループ間で、女性たちの絶え間なきマウンティング(?)に切なくなる。これは男女問わず、人間の悲しい性ではあると思うけど。「自立した幸せ」の定義とは何か、という意味で『プリンセスメゾン』などと比較してみると面白い、かもしれない。▼昔のブルジョワさんたちって、本当にこんな喋り方だったの笑?2018/01/13
及川まゆみ
3
「玉呑み人形」のみ読了。2021/12/27
toki
3
女であることが哀しくて侘しい。虚しくて寂しい。同じ気持ちだよと思いながらも、女であるがゆえにあからさまな言葉にはできないので、そっとうつむくような頷きを送る。2019/05/18
し、も、だ、
3
女、女。女!どんな女もやっぱり女!「女ともだち」がやっぱ迫力。美人で本当にひたすら良い子で……っていう女を、ああいう落ち方に持っていくところもそれこそ女であり、林真理子らしさなのかも。時代背景とか土地感とからしいなって感じ。2014/08/11