新潮文庫<br> 果心居士の幻術

個数:1
紙書籍版価格
¥649
  • 電子書籍
  • Reader

新潮文庫
果心居士の幻術

  • 著者名:司馬遼太郎【著】
  • 価格 ¥572(本体¥520)
  • 新潮社(2015/04発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101152233

ファイル: /

内容説明

超人的な力の持主であるがゆえに、戦国時代の武将たちの運命を左右しながらも、やがては恐れられ殺されていった忍者たちの不可思議な生き様を描いた「果心居士の幻術」「飛び加藤」。そのほか、日本建国の神話に題材を取った「八咫烏」から、幕末・新選組の裏面史を扱った「壬生狂言の夜」まで、歴史の中に埋もれた興味深い人物・事件の数々を掘りおこした作品集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えみ

70
果心居士の幻術に武将たちが惑い、感嘆しながらもその凄さゆえに恐れをなし、彼の存在に戦々恐々としている様子が重厚な文章で描かれている。さすが、言葉の圧が違う。司馬遼太郎作品はいつだって襟を正して読みたくなる作家だ。歴史上、その存在に光が当てられなかった者たちが主役のこの小説は、戦国時代の忍者の活躍から始まり、八咫烏の苦悩、新選組隊士・松原忠司の厄災等々、巡るめく時代に消えた刹那の物語。短編でも一話一話のこの満足感、また一つ歴史の中に通説となっていくような解釈生み出してくれた。という期待感が高まる。良き一冊!2022/12/29

kazi

70
短編小説集だが忍者・新撰組・日本建国神話などなテーマがばらばらでごった煮感が凄い。最初期の作品集であり、のちにトレードマークとなった余談などの独特の語り口がまだ完成していないように感じた。個人的には表題作の「果心居士の幻術」がぶっちぎりで面白かった。ここまで強力な通力を持った果心居士を忍者と呼んでよいのか?もはや怪人・神仙の粋ですな(^▽^;) 実在が疑問視される人物だが、さまざまな文献に名前が残っており歴好きの興味を引く題材だと思う。素晴らしい題材から、最高の短篇を作り出す司馬先生の技量がお見事。2020/12/10

明智紫苑

64
表題作以外にも微妙な変人が何人か出てくるな。怪しい状況が淡々と描かれているが、最後の話が一番とんでもないかもしれないね。2017/07/25

アルピニア

61
昭和30年代に「オール読物」などの雑誌に初出の六篇。描かれているのは、時代も立場も異なるが「異端の末期」ではないかと感じた。司馬氏の作品をそれほど読んでいないが、既読作品とは雰囲気が異なるという印象を持ちつつ読み進めた。生々しい描写が多くてちょっと引いてしまった作品もあった。山崎正和氏(劇作家)の解説によると『司馬氏は、完結した人生を眺めていく辛さに耐え兼ねた時に、(この本に編まれているような)異形異能の人の活躍する「歴史の支配する世界の外側」を書くのではないか』とのこと。なんだか納得してしまった。→ 2018/12/27

AICHAN

56
再読。短編集。表題作のほか「飛び加藤」「壬生狂言の夜」「八咫烏」「朱盗」「牛黄加持」を収録。「牛黄加持」では真言宗の僧侶が精液で溶いた顔料で絵曼荼羅を描く。絵曼荼羅が本当に精液を用いて描かれるとすればなんとも気色悪い。2022/12/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/541034
  • ご注意事項