内容説明
オーバロ人の脅威「蟲」。その天敵である合成有機獣「狩人」の世話を任された孤児のパル。彼女が部屋を出た隙に起きた爆発事件で、狩人は全滅。しかも犯人はパルだと証明されてしまう。形式的な裁判で死刑になるところを救ってくれたのは、変人かつ傲慢な魔術師ザラツシュトラだった。命の恩人である先生の面倒を見るパルは、否応なく事件に巻き込まれていく。魔法と論理が織りなすゴシック・ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いえっさ
8
表紙とあらすじに惹かれて購入。魔術師が存在する世界に人を喰らう蟲。はじめは難しい単語が出てきて慣れるまで時間が掛かりましたが、主人公の女の子と魔術師のザラツシュトラが出会ってからは一気に読めました。本をめくる手が止められず先が気になってしょうがなかったです。ファンタジーで薄暗い印象の小説かと思いきや、ザラツシュトラの口の悪さに読んでいて声が出そうなくらい可笑しかったです。主人公の女の子とのやりとりもにやりとしてしまいます。一度読み切ったあと、もう一度最初から読み直したくなるほど面白かったです。2015/04/16
ユイ
6
中のイラストがなかったのが残念。口が悪い人がと既定の人にふと見せる優しさは反則ですな。2015/12/15
てんとうむし
4
黒川さんの今までの本とはまた雰囲気がかわって、予想してたより重くてSF的なお話でした。でもこういう世界観も好きだなー。変人で口はすごく悪いザラが、なんだかんだパルには優しくて可愛かったです。2015/11/30
t-snow
4
冤罪をかけられた孤児院出身の少女の「わたし」と、彼女を助けた傲岸不遜な魔術師の「先生」の物語。先生が実にいい性格をしていて、主人公もふてぶてしいところがあって、犯人探しのストーリーの中での2人のやりとりが楽しい。主人公が抱える孤独ゆえの、時々しっとりとなる語り口も胸に響きました。先生が出てくるまでが少し読みづらかったですが、そこからはミステリ要素あり意外な展開あり。そして終わり方が素敵、2人が出会えて本当に良かった。2015/05/14
月華
3
図書館 いまいち設定が理解出来ませんでしたが、結局異世界転移もの、だったのかなと。2015/09/22