内容説明
これで人類は、生きのびられる。
「海水から電力をつくる」夢のような発電法。
30年以上の年月をかけて著者が研究を重ねてきた、海洋温度差発電。
それは、海の表層と深層の20~30℃の温度差を利用して発電するというもの。
この方法の利点は、世界中のいたるところで発電施設がつくれることと、
海の温度差があるところなら、半永久的に電力を生み出し続けること。
さらに、発電のみならず、汲み上げた深層海洋水からミネラルウォーターをつくったり、
水素を取り出して燃料電池の原料にしたり、また豊かな漁場をつくり出したりもできます。
つまり、エネルギー問題、食糧問題、水問題が一挙に解決できるというわけです。
まさに、地球を根本からケアすることができる新技術だといえるでしょう。
本書では、たんに海洋温度差発電についての解説だけでなく、エネルギーと文明とは何か、という根本から解説します。
子どものための環境教育にも最適な一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジョニーウォーカー
10
海洋の表層と深層の温度差を利用して、石油に代わる新しいエネルギーを創り出す。そんな途方もない計画をご存知だろうか? 発案者はなんと日本人。1998年にはあの文部科学省を説き伏せて研究所まで建設させ、ついには世界各国で実用段階にまでこぎつけているのだ。本書はその全容を、一般の人に向けて分かりやすく伝えた、いわば“人類への企画書”。紙芝居形式で進む内容は、一言でいって非常によくできている。ヘタな企画指南書よりタメになるほどだった。上原博士、あなたの30年以上にわたる熱き思い、確かに受け取りました。2010/04/21
もよ
0
図書館本。水温差が15℃あれば発電が現実的に可能とは驚き。深海の冷たい水を使うことにやや抵抗を感じるけど、火力、原子力の温排水と組み合わせたら面白そう。もっと勉強してみよう。2015/10/19