内容説明
1915年12月北海道苫前村。開拓地を襲い、死者8名を出した巨羆。熊害史上世界にも例を見ないこの惨劇の戦慄のドキュメント。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
67
北海道三毛別で起きた人食い羆による惨劇ドキュメント。事件が起きてからマタギに撃たれるまでが当時の記録、証言や写真をもとに構成されている。実際に体長２．７メートル数百キロの羆が立ち上がって襲いかかってくる恐怖はどんなだっただろう。家の天井を見上げてその大きさを想像するとゾッとする。吉村昭氏の「羆嵐」のほうが怖さは格段に上だと感じた。それでも十分読み応えがあった。2016/09/01
禅
26
大正４年（１９１５年）に起きた苫前三毛別羆事件のドキュメント。死者８人重傷者２人と日本史上最悪の被害を出した事件。吉村昭さんの羆嵐のモデルになった本で真実が生々しく綴られている。2018/10/04
モヒート
15
国内最悪の獣害事例、三毛別事件のドキュメンタリー。 生存者や遺族の方々の証言を元に綴られ、写真や図版も多く掲載された貴重な記録。羆だけでなく、当時の北海道開拓の過酷な環境を知ることもでき、最後まで引き込まれた。2015/10/28
鱒子
13
図書館本。9人の死傷者を出し、討伐隊600人が出動した世界に類を見ない最悪の熊被害の記録。内容は素晴らしくて引き込まれますし、著者の熱量も伝わってくるのですが、本としては洗練されていないと思います。そこがまた記録的で、ある意味良い味を出しています。しかし、写真がちょっと…… 写真の右下に 「14 15:13」ってコレ14日の15:13に撮ったヤツでしょ！旅の記録ならともかく、書籍化作品に日付写真は良くないです。2016/01/21
こたろう
13
大正４年に北海道苫前で起こった羆による食害事件を振り返り検証した記録。『ファントム・ピークス』から『羆嵐』と読み、その元になった本書に辿り着いた。淡々と事実だけが述べられているから尚更、羆に襲われた人々の恐怖が背筋を冷たくする。世界中でも類を見ないと言われるこの悲惨な事件を記録として残そうとした作者の、執念にも似た思いに脱帽。ホントは怖いクマ。なんで可愛い生き物として定着してるんだろ…。2013/04/11
