- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
中国の人々は総じて元気があり、暗い印象を与える人は少ない。そのメンタリティーの源はどこにあるのか? 中国は決して生きやすい社会ではない。庶民は地方官の苛烈な徴税とでたらめな裁判に苦しみ、官僚だって一歩間違えれば悲惨な刑罰を受ける。さらに官僚になるのも一苦労、「科挙」では八股文という超絶技巧が求められる。一方で中国人は人生に愉しみを見出す達人でもある。最高の娯楽になりうる漢詩に耽溺し、美食や美女を優雅に愛で、静寂が支配する「庭園」に佇む。中国は伝統的に、生きるしんどさと遊びの哲学が同居する国なのである。現代でも、官僚は一歩道を踏み外せば奈落の底に突き落とされ、中国文学は「反政治」の様相を呈している(これに対して、日本文学は「非政治」的であるといえる)。象棋や麻雀などのゲームが好きで、文房四宝(硯紙筆墨)に凝る人も多い。本書はそのような、現在にも通じる中国社会、中国文化のさまざまな相貌について柔らかな筆致で解説する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mit
8
著者の専門は中国明清時代文学。かつての中国の官吏、文人達の政界での苦しみや隠遁の楽しみについて、文献により紹介している。漢詩については著者自らが作詩を試み、平仄を合わせ、最後に先生から添削を受ける過程が面白い。科挙については具体的な殿試の答案例や、小説内の科挙を模した八股文が紹介され興味深い。その他、地方官吏の不正や官僚の不平文学、それから蒐集、書、茶、食、美人、庭園などの楽しみが紹介されている。中国古典の理解には役立つ悪くない内容だが、本書のタイトルは、現代中国に関する話題を想像させ、内容にそぐわない。2015/10/05
中島直人
2
(図書館)読了2024/01/28
石光 真
1
中国人は今でも他人は人間じゃないし、昔は科挙がつらかったけど、みんなへこたれていない。開き直って人生を楽しんでるからじゃないか。ということで、文人趣味の悦楽がどっさり紹介されていて、いやあ楽しい。酔古堂剣掃出てきてほしかった。。2016/11/19
もりやまたけよし
1
タイトルにひかれて、中国人の国民性に触れたものかと思って手に取った。東大の先生の中国古典文学に見る昔の中国人のいきざまが、本当のところだった。最近タイトルとは違った内容の本によく遭遇する。出版社も、もう少し真面目にタイトルをつけてくださいね!2015/05/11
kaboking
1
中国人の両極への振り幅の広さの理由の一端が分かって来たような気がした。民の幸福を考えない中国社会は厳しく生きづらい、そういう社会構造の世界に楽しく生きて行くにはどうしたら良いか?趣味にのめり込む人々の姿は、まるで現代人の様でもある。本書では主に明末清初の文人の文章から事例を紹介している。今に至る中国人のメンタリティーの一端が少しだけ見えたかな。2015/03/18
-
- 電子書籍
- 元カレに捨てられて、イケメンニートを拾…
-
- 電子書籍
- 親友の秘密【タテヨミ】 102 ズズズ…
-
- 電子書籍
- おひとり様物語(10) -story …
-
- 電子書籍
- あたし、なまくび だけど魔法少女はじめ…