内容説明
半島全土を血で染めながらも、両陣営とも誤算の連続で混迷の度合を深めた朝鮮戦争。米中の初激突、ソ連極秘参戦と熾烈な攻防が続くなか、日本は再軍備を迫られ、さらには民間人が戦火に巻き込まれる――。戦闘の実相のみならず、現代にも及ぶ複雑な世界のありようを真に理解しうる傑作戦記。文庫書下ろし
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
54
岐路と帰路。関係国・関係者に齎した結果のみならず、経過における言動の影響。共通項は曖昧さと不確実性。前者は言うまでもなく休戦協定そのものであり、”終戦”ではない事実。後者が遺した痛手は、民族を超えた不信感。徳河・謙二の”逃避行”は、著者の皮肉でもあり期待の表れとも解釈。戦況変化の丁寧な描写は、臨場感のみならず翻弄される人間の持つ強さと弱さを通した経過の影響がミソ。故に、巻末の各国指導者の行く末とも繋がっている感。2016/12/07
Yoshiki Fujimoto
5
日韓の現状や米中ソ関係が、なぜ今の状態に至ったのかを史実に基づいて描かれた物語。なぜ今、注目を浴びないのか不思議なくらい。文庫本が出されたのが2014年、当事、話題になったのだろうか。朝鮮戦争が未だ終わらない謎が非常に理解できた。今の日本人にとって、教科書に載らない日本史として必読本ではなかろうか。2019/09/07
BIN
4
朝鮮戦争後編は休戦まで。具体的な内容を知らなかったので興味深く読めたものの、なかなか地名等が頭に入ってこなかった。架空キャラの逃避行の方が面白かったところです。結局ソ連は何もしてなかったし、李承晩はどうしようもなく、その分白将軍が余計に際立った。最後は蛇足。2021/08/18
komo
3
ソ連の最新兵器を手にした北朝鮮の一方的な強さで始まった韓国との南北統一闘争。 みかねたアメリカが国連を巻き込み軍事介入。 韓国、国連連合軍の圧倒的物量の前に防戦一方になった北朝鮮に中国が参戦し、得意の人海戦術で戦況を盛り返す。 登場人物も、スターリン、毛沢東、金日成、李承晩、トールマン、マッカーサー、吉田茂と多彩で、彼らが言葉を発するから尚更面白い。 軍事境界線の三十八度線をもって休戦状態の現状に、こんな歴史があったのかと感慨深い。 上下巻で千二百ページ越えの大作だが読んで損は無い。2025/07/27
gonzui
2
当時の日本の状況等も分かりやすく読めたが、少し散漫な感も。 しかし、改めて朝鮮半島は休戦しているだけであることを読むと、隣国なだけに今後が気にかかる。2015/01/29
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