内容説明
晴れの日はカメラを持って40年通い続けている浅草の街へ。雨の日は家で作業をしながら、記憶をさかのぼり、生まれ故郷や、異国の人々との出会いと別れに思いを馳せる……。市井の人々を撮ったポートレイトで世界的な評価を受ける写真家である著者が、その透徹した感性と文章で綴る珠玉のエッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
27
写真家鬼海弘雄さんのフォト&エッセイ集。記憶の中にある懐かしい人たち、懐かしい風景。インドやトルコでの旅の思い出、出会った人々。浅草の町で見かけた味のあるたたずまいの人物写真。写真家の目に写るもの、記憶に残るもの。「その懐かしさは単なるノスタルジーだけでなく、未来に繋がってくれればとの願いも生まれてきて、その夜は、いつもよりは少しだけ人を好きになれるようないい気分になって店を出た。」この一節が、著者の写真と文章をとても上手く表しているように思った。2016/12/15
たまきら
19
2016年3月現在、一番夢中になっている写真家さんの「忘備録」。出会った人たちの回想と、飼いネコや妻への気持ち。気負いも気取りもなく、淡々と語られることばが逆に写真家の人への姿勢をしらせてくれる。最後のストーリーには泣けた。これだけ、描き下ろし。明日も浅草に行く自分にはこたえられない。もっともっと人に出会いたくなりました。2016/03/29
ほじゅどー
17
★★★★写真家、鬼海弘雄の温かい眼差し。それは氏の写真からも、エッセイからも滲み出て来る。写真や文章には撮影者や書き手の心が滲み出るのだ。インドや日本の街のスナップ写真、浅草で出会った市井の人々のポートレート写真はどれもモノクロフィルムの傑作揃い。2016/11/23
シュシュ
17
写真とエッセイ。写真家の鬼海さんが書いた文章がとてもよくて、ページをめくるのが楽しみだった。この本の中に『誰しも少し好きになる日』という文があったが、私にとっては、この本を読んでいるときが、誰しも少し好きになるときだった。癒されるというのとも違う、心が落ち着く本だった。2015/06/23
mukimi
11
趣味を聞かれたら、読書とならんで写真と答える。どんな写真が好きかと聞かれたら、この本にのっているような写真だ。デジタルで修正や加工し放題の時代だが、モノクロで余計な飾りを排除し、そこにいる人の心をありのまま包み込んだような写真がたまらなく美しい。そして筆者のエッセイも写真に寄り添い味を加える。表紙のたてがみが寝癖みたいにわしゃわしゃした眠そうな優しい馬の表情を愛してしまう人にはきっと大切な一冊になるだろう。人間の日常を愛したくなる。タイトル通りだ。2015/03/31
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