内容説明
ある事情で子供の頃からの夢だった教職を辞め、フリーター生活を送っていた青年、生田覚は、友人から離島での教師の職を勧められる。 島を訪れた覚を待っていたのは、たくさんの猫と美しい巫女。そして、天国に旅立ち忘れた4人の子供達の幽霊だった。そう、覚が頼まれたのは、「幽霊の子供達の先生」になることだったのだ。 最初は拒否する覚だったが、子供達と交流するうち、彼らを新しい世界へ卒業させることを決心するのだが――。 猫の住む島を舞台に、青年と子供達の心の再生を描いた優しい愛の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
49
平成・令和の教師と言うものはなかなか難しい職業ですね。イケメンだと女の子にクイモノにされる・・毎日晴天の「阿蘇芳秀」も大変な目にあったと。天職だと思っていた教師の職を諦めてフリーターとなっていた生田覚は学生時代の友人に乞われて行ったしまには4人の幽霊になった子供達が。人はいつも平穏に暮らしていけるとは限らない。1,17・3,11・・あの場所にはまだ彼らが成仏を待っているかもしれない、と思わせる内容です。「青年と子供達の心の再生を描いた優しい愛の物語」とありました。ほんとに切なくて・・涙もろくなって困ります2020/02/03
た〜
36
とても良かった。基本設定としては割とベタで、細かな突っ込みどころは散見するのだけれど、登場人物がみんな良い子たちだ。タイトルも表紙もこの本の内容をよく表している。それと、しゃーしゃーが可愛い2014/12/29
ううち
31
とある理由で教師を辞めた主人公が、離島の学校で子供たちを卒業させるというハートウォーミング系なお話。子供たち、たくさんの猫たちが可愛らしく、テンポ良くて読みやすかったです。浅緋さんの作るご飯が美味しそうでした。2016/03/15
まりも
28
ある事件をきっかけに教職を辞め、フリーターになった生田覚が友人から勧められて離島の教師になる事から始まる話。ベタではあるけど登場人物が皆良い人ばかりで優しいお話でした。台風で死んでしまった生徒一人一人の事情に全力でぶつかっていく覚とそんな生徒たちが楽しく暮らしている姿は読んでいて胸が温かくなりました。それだけに別れとなる卒業式のシーンは悲しかったけど再会の為の別れというのが良かったですね。浅緋さんと猫たちも可愛かったし満足です。作者さんの次回作及びD9の続刊が楽しみ。2014/12/29
るか
22
一度挫折を味わい教師をやめてしまった覚が災害で亡くなった子供の幽霊を相手に教師をする話。もう死んでいるのに勉強する意味はあるのか?暗くなりそうな題材ですがそんなことは無く幽霊たちは歳相応にヤンチャでコミカル。ですが成仏することへの未練や恐怖などもしっかり描かれており笑えるところ,考えさせるところ,シリアスなところがバランスよくとても読み応えがありました。生徒達と一緒に色々な経験を積み重ね覚自身も成長していく姿もよかったです。ラストも意外性はありませんでしたがとても温かく素敵な物語でした。2015/03/24