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内容説明
人間が長い歴史を経て築き上げてきた、果てしなき“ことばの森”。そのなかを放浪し、すばらしい“ことばの木”に出会い、その木のなかにイデア(本質的な特徴)を発見したときの感動!著者のそうした感動から生まれた本書は、いわゆる箴言集ではない。著者ならではの深い思索によって、様々なことばの本質をあぶり出してみせる一方、私たちに読書の愉しみ、考えることの喜びを教えてくれる。「人間の知性は明鏡ではなく、意志と感情で曇った鏡である」(フランシス・ベーコン)、「異なった人間には異なった真理がある」(オスワルト・シュペングラー)、「君子は淡くして以て親しみ、小人は甘くして以て絶つ」(荘子)など、心に響くことばをもとに展開される名随筆は、人生や社会の諸問題を考える上で格好の道しるべとなろう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふなこ
6
会社の偉い人の愛読書とのことで読んだ本。難しい。よく考えるのでめちゃくちゃ時間がかかる。やっと上巻を読んだけどもっと味わってから下巻に行きたい。2023/12/19
KAZOO
5
言葉への旅という題名ですが、さまざまな読書を行っていてその本の中で出会った言葉を元に文化論・文明論を論じています。夏目漱石の夢十夜の中の話を援用して、運慶が木の中に埋まっている仁王を掘り出すになぞらえて、本の中に埋まっている言葉を掘り出しているということです。上巻には40強の言葉が上げられておりまたそれぞれに安野さんのきり絵がアクセントになっているのもお勧めです。2013/07/08
joe
4
後半に収録されているいくつかの日本人論が非常に面白かった。巻末にある「ことばのしおり」という出典文献の解説がとても親切で嬉しい。参考文献も読んでみたくなる。2013/05/28
かさねパパ
3
以前、角川文庫で出ていたものをよみました。そして、改めて今読みなおしてます。色々なことばを取り上げて、ことばの解説をしながら、意味に広がりをみせている、そして深く考えさせる、そんな本です。言葉は小さいけれど、宇宙のように広がりをもつことができる、本でも取り上げているカントのことばのようです。ゆっくり味わいながら読みたい本、そしていつでも新鮮な気持ちにさせてくれる、そんな本です。2014/02/13
まる子ム
2
普段なかなか触れる機会のない偉人たちのことばを、わかりやすく、こちらに寄り添うように、そして情熱をもって紹介してくれる本だった。ことばとは、人間とは、魂とは、死とはなにか。ことばの森に分け入って深く思索することの楽しさを教えてくれる。読書について、エミイル・ファゲ“本を読むのに、何よりもたいせつなことは、ゆっくり読むということである”「読書は男女の出会いに似ている。恋人を捜すように本をお捜しなさい。そして、これは、と思った一冊、一冊をゆっくりとお読みなさい。考えるために、読みなさい。」この解説が好きだ。2018/08/04