内容説明
童顔に飴棒を咥え、飄々と賄賂を受け取り、着流しで吉原を流す南町奉行所隠密廻り・桐谷左門。人呼んで「飴玉同心」左門は、瞑目して敵の放つ「念」を斬る必殺剣の遣い手だが、世間にはその腕を隠している。ある日、馴染みの屋台蕎麦の夏から、上方から兇悪な殺し屋が潜入したとの報せを受ける。狙いは吉原を見察する町奉行――!?左門ははたして殺し屋に辿りつけるか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
132
飴玉同心 隠し剣「吉原見察」1巻。初読みの作家さん、今までに無い異色の隠密同心、飴玉を咥え、袖の下を拒まず、探索御用に使用し、優しさと凄さを使い分け、相手の念が見え悪は躊躇せず念で誅殺する凄腕、主人公もだが周りの取り巻きも謎が多く面白く楽しく読むことができそうなシリーズ。2015/11/18
あかんべ
7
飴玉をくわえ、死んだ魚の目を思うと魚が食べられないって、どこまでお子様か思いきや、念を使って動きを探知する、動きが分かるのとすばやく動けるとは別物だと思うが、憎めない左門。おもしろい作品でした。2014/07/05
ひかつば@呑ん読会堪能中
7
いやぁ面白い! 主役の隠密同心は今に続く念流とは異なり、相手の「念」が見えるというオリジナルの念流を遣い、普段は優しいが、刃向かう者は躊躇わず斬るという凄腕。だが、なぜかいつもチュッパチャプスのような棒付き飴を咥えているところが何とも可笑しい。吉原絡みの殺しを探る話はオチが一捻りされており、単に下手人を挙げるのではなく清濁併せ呑む飴玉同心と謎を秘めて魅力的な脇の連中もいい。初めての作家だが次が待ち遠しい。お教えくださったバンス師に多謝! 2013/07/13
ううち
5
本棚整理中に発見。なんでずっと読んでなかったんだろう…。吉原に用心棒として務める隠密同心。念が見えるというのは凄いよね。 袖の下もサラリと受け取ってスマートなお方なのに魚介類ダメなところが可愛い。読んでると飴が食べたくなるのよ。2023/10/15
カバン
3
人の念が見える南町奉行所の隠密同心の桐谷左門。いつも飴を咥えているので飴玉同心と呼ばれる左門が、吉原や江戸の町を守ります。左門の性格がすっきりしていて、とても好感がもてます。脇役たちも色々な設定がありそうで、今後の展開が楽しみです。2014/04/19