角川文庫<br> 新訳 フランケンシュタイン

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角川文庫
新訳 フランケンシュタイン

  • ISBN:9784041012406

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内容説明

若く才能あふれる科学者、フランケンシュタイン。死者を甦らせることに情熱を注いだ結果、恐ろしい怪物が生み出されてしまう。愛する者を怪物から守ろうとする科学者の苦悩と正義を描いた、ゴシックロマン。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

流言

52
怪物とヴィクトル・フランケンシュタイン、どちらの視点で見るかにより印象が著しく異なる。ヴィクトルから見ると不条理な災厄に見舞われる恐怖小説であり、持つ者になってしまった天才の苦悩を描いた作品であるのに対して、怪物くんの視点で見ると虐待から始まる悲哀であり、青い鳥を求め続けた失恋譚である。怪物くんの行動も非難されてしかるべきなのだが、それよりも産まれた怪物を放置してふて寝するわ約束は破るわなんの根拠もなく怪物くんを悪魔だ化物だと非難するヴィクトルの理不尽さが目立つ。技術が倫理を追い越すことの恐怖がテーマか。2016/06/29

みっぴー

52
育児放棄の末にエンドレス追いかけっこ…自分で造った怪物は最後まで面倒みてください。元祖SFとの呼び声高いフランケンシュタイン。数多くのテーマや教訓を内包していますが、自分は〝結局外見が全てなのか?〟ということに重きを置いて読みました。もし怪物が美形なら、博士はそれこそ天使のように可愛がったでしょう。なのに醜い者には愛情も友情も教養も与えられない。これを読めば〝外見なんて関係ない〟なんて陳腐なセリフは吐けなくなります。博士に同情の余地無し。怪物に同情票。2016/02/22

みくろ

40
ずっと読んでみたいと思っていた作品。どの訳で読もうか悩んだ末、表紙が素敵な角川さんで。他の訳は読んでいないので比較できないですが、この角川版で読みにくい等はありませんでした。フランケンシュタインってずっと怪物の方の名前だと思っていたのですが創った科学者の方だったのですね!そしてこの科学者がもう自分勝手で言い訳ばかり。怪物の心理状態に関してはフランケンシュタインとウォルトン氏が語ったもののみ。どちらも怪物本人の視点ではないのでかなりの偏見があり、怪物自身は善の心が本当にあったと思う。切ない話である。2015/10/30

MF

34
暮れに公開されたこの名作の作者を描いた映画『メアリーの総て』の影響か、少し前から取り上げる方々が一気に増えてとても嬉しい! 数年前にディズニーの実写映画『マレフィセント』でオーロラ姫を演じた女優さんが主演をつとめるという映画もなんとか観に行きたい。2019/01/02

MATHILDA&LEON

31
【英ガーディアン紙が選ぶ必読小説(5/1000)】今まで「『フランケンシュタイン』とは、体格は良いが知能は低い怪物の名前」だと思い込んでいたけれど、思いっきり間違っていた。怪物を生んでしまった博士の名前だったのか。それにしても、怪物のなんと哀しい運命か。博士の考え方には最初は怒りを禁じ得なかったが、読み進めて行くにつれ、彼の悔恨と苦しみが少しずつ分かってきて、読むのが辛くなるほど。怪物は怪物で、人間と仲良くなりたいと願うのに…。なんて悲しい物語なのだろう。2015/04/07

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