内容説明
十八歳の時に交通事故で顔に大怪我を負い、美容整形手術を受けて完璧な美貌を手に入れて世界的ファッションモデルにまでのし上がった美織レイ子が死んだ。整形後の人生の中でレイ子は七人の男女を憎んできたが、その七人もまた彼女を殺す動機を持っており、しかも全員が、「美織レイ子を殺したのは自分だ」と信じていた!? ミステリー史上でも出色のヒロインをめぐる目くるめく愛憎劇を描き切ったその超絶技巧は、帯にいただいた綾辻行人さんの言葉どおり、「まさに連城流、並ぶものなし」です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんたろー
161
人気モデル・レイ子を憎む男女7人各々がレイ子を殺したと思っている…どうやれば7回も殺人が行えるのか?ミステリの限界とも言える謎に挑戦して、見事に描き切った連城さんに拍手を送りたい。その文章の独自性ゆえにトリックの独創性は語られる事が多くないが、綿密に創り込まれた面白さも、もっと評価されて良いと思えたし『造花の蜜』を読んだ時の衝撃を思い出した。一点だけ残念なのは、レイ子の想いが被害妄想に思える事…普通の幸せを願った女の子の悲哀をもう少々描き込んで感じさせてくれたら共感できと思うが、連城ファンは必読の長編。2018/07/23
🐾Yoko Omoto🐾
150
美織レイ子を殺したいほど憎んでいた七人の男女たち。それぞれ自分こそがあの夜彼女を毒殺した犯人であると知っているにも関わらず、数日後自分以外の人物が犯人を名乗り自殺を遂げたことを知る。不可思議な状況設定や曰く有り気な登場人物たちに、連城氏らしいツイストを絡め効かせた着地点はやはり見事。メインの毒殺トリックについては中盤で検討がつくものの、今作ではそれよりも登場人物たちが担っている役割と、フーダニットを匂わせながらもそこに重点を置かずして収束させていく展開そのものが読みどころだろう。→2015/07/05
nobby
120
「わかった」何度と繰り返されたありふれた返事に込められた愛を感じた今、そこに残る余韻はまさかの愛おしさや悲しさ…マンションでの美女モデルの死、相手にわざと殺させようと誘導する様に加えて、わがまま放題いけ好かない整形美人がずっと鼻につく。過去の悲劇と業界の悲愴ばかり読んで気分を害される…そこに7人の男女が次々と「私が殺した」と脅える不思議。並々ならぬ愛憎劇にうんざりしながらも、その展開にはなるほど!最後にはきちんと現実的な仕掛けに導くのはサスガ♬ソロとオーケストラによる協奏曲と引っ掛けての変奏曲とは上手い!2023/01/08
オリックスバファローズ
86
美織レイ子という女性の、エキセントリックでいてどこか哀れな肖像が、読後いつまでも印象に残った。2018/07/25
けい
80
こんなトリックを思いつきながら、物語の冒頭から読み手側にわかりやすく伏線を引きまくり、物語の後半にはほぼわかる状態に。それなのに読めば読むほど物語に引き込まれ、尻上がり面白くなっていく。精緻に描きこまれる心理描写、危険な美しさを備える文章、先に読んだ『戻り川心中』といい、連城作品はどうなってるの?2014/09/04
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