岩波文庫<br> 色ざんげ

個数:

岩波文庫
色ざんげ

  • ウェブストアに2冊在庫がございます。(2025年06月11日 19時13分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003122211
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

深く誰か一人を愛するわけではない男と,男の愛を掴んだようで常に不安な女の姿を情感豊かに描きだす

宇野 千代[ウノ チヨ]
著・文・その他

内容説明

欧州から帰朝した洋画家湯川譲二は、毎日手紙を寄越す不思議な女に翻弄されるうちに女は失踪。女の友人つゆ子と捜索の旅に出た譲二はつゆ子に魅かれるが、さらに湯浅の絵のファンだという女学生とも子が現れ…。画家・東郷青児をモデルにした宇野千代(1897‐1996)の代表作。現代恋愛小説の白眉。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

92
芸術家でありながら実生活では流される男、譲治。彼は女達を翻弄し、状況に戸惑いながらもそれに対して良心の呵責も面倒だとも思わない。どこまでもフラットな彼の思想はある意味、潔いとも言える。しかし、同時に誰からも浅い付き合いでしか終わらないという彼の業すらも突きつけているように思えた。そこが彼を「クズ」と一刀両断できずにあはれさを感じさせる所か。それにしても譲治に迫った高尾が袖にされてからの憤激ぶりと残酷さ、とも子が大学生と駆け落ちした時に感じた気持ちに共感する所もある。それは女としての自尊心が高いからかも2019/05/26

Willie the Wildcat

77
うだうだのダメ男の持つ”魅力”に翻弄される4人の女性。とも子の母親と織りなす会話が本著の〆。何だろう、何事もなかったかのようなこの爽やかさ?甘えなんだよなぁ、自己中心的なんだよなぁ。しかしながら、とも子の父に見せた涙、そして支援者に見せた涙。どちらにも”濁り”を感じさせない。譲二の心底の悩みが、ヒトの持つ”欲”ではなく、人や家の持つ温かみへの飢えだからではなかろうか。つゆ子のばあや、老婦人のキップの良さも印象的。周囲を固める女性陣も、もれなく”懺悔”に貢献した感。2019/06/01

りつこ

44
画家・東郷青児をモデルに彼と関係を持つ三人の女が描かれる。言い寄られればふらふらと関係を持ち、その友人の方が美人だと思えば今度は自分から言い寄り…駆け落ち、重婚、心中と、主人公の譲二の行動は恋愛に生きる男そのものなのだが、不思議と熱が感じられない。女の側の熱情や思惑にただ流されているようなのだが、時々激情に駈られて無分別な行動に走る。彼の虚無感が女から愛情を男からは同情を引き寄せるのか。身勝手な男だが哀れでもあるし羨ましくもある。「色ざんげ」というタイトルも秀逸。2019/05/21

ビイーン

35
宇野千代は初読。題名が気になり読んでみたら、これが結構面白い。読み始めると続きが気になって止まらない。物語は実在の有名画家の心中未遂事件がネタになる。宇野千代独特の感性が暴露本を文学作品に昇華させる。主人公の湯浅は3人の愛人に振り回されっ放しで情けないと思うが、男の気持ちも分からなくもない。男と女の理屈で割り切れない生生しい描写がリアルにホラー的な怖さを感じさせる。2022/02/27

松本直哉

24
改行なしに延々と流れる文章には独特のリズムがあって、信頼できない語り手による問わず語りの告白に仕組まれるいくつもの危ない橋にページを繰る手が止まらず、小説を読む醍醐味を味わう。同時代の風俗を描いた谷崎の細雪が、少なくとも表向きは安定した家族の物語なのとは正反対に、洋行帰りのどう見ても生活力のない画家と彼に関わる三人のいずれも個性的な女性たちの、家族や結婚という枠からどうしてもはみ出してしまう不穏さ、昭和モダンの華やかさとそれに隣り合わせの虚無への傾斜。つゆ子さんが時折見せるにっと笑う笑顔が好きだった。2021/11/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13526251
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品