内容説明
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悲惨な戦争、虐待や殺人、醜い金銭トラブル等々、連日暗いニュースが続く。日本人はいったいどうなってしまったのか。今こそ新しい道徳を創造しなければ、日本も日本人も滅んでしまうのでないか。著者は自らの心の軌跡を辿りながら、母の無私の愛と仏の利他の教えこそ、新しい道徳の根源になるべきだと説く。そして、その道徳こそ豊かな人生を生きるための指針であり、混迷の現代社会を救う鍵であるという。
感想・レビュー
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coco.
3
哲学者・梅原猛さんの仏教色の強い随筆集。前半は仏教研究を開始してから振り返る自身の生涯や文化人との交流話が主。勿論、著者の真骨頂とも言える道徳心も話に挙がる。後半は法華経を信仰していた宮沢賢治と作品への影響を考える仏教的考察だ。時折、古典文学での事例を紹介しながらわかり易く説いている。私は梅原さんの書く文章が好きなので、著作を継続して読んでいる。知りたい情報を面白く、読み手の領域をさりげなく広げる書き方をしてくれる。学者であるが、抽象的な言葉や専門用語を頻用しないことも好感が持てる。2013/07/27