内容説明
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現世と来世における善行の積み重ねによる成仏を説く最澄に対して、この身そのままで自然神との一体化による即身成仏を説く空海。それぞれの教えは対極にありながら、われわれ日本人の心情と深く響き合う。両師とも、古来より根強くあった日本人の山や木に対する信仰を受け継いで、神と仏の融合をはかった点においては共通であった。二人は日本独自の仏教を創造し、日本人の倫理観、精神の拠りどころとして定着させたのである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃとら
64
4月に高野山に行く前に、空海の章を読み、最澄を途中にして積んでいた。空海と最澄を比較する本は多いがこの本は深く難解だった。現在に至る日本の仏教の祖、共に権力と結び発展してきた。山岳信仰でもあるが、空海は大日如来、最澄は釈迦。二人の違いと流れは掴めたが、この本にたっぷり詰まった仏教論は、また再読しないと私には理解できそうにありません。深い本でした。2019/06/30
№9
37
司馬遼太郎の「空海の風景」を読み終わったとき、このままでは自分は空海や最澄のことを誤解したままになると感じた。その描き方には何か釈然としないものを感じた。本書はそんなモヤモヤを晴らしてくれるものだった。最澄と空海を公平に扱っているし、特に「空海」の「分からなさ」の理由の一端がわかったような気がした。難解な二人の宗教理論もとても平明に解説してくれている。入門書として良書だと思う。読了後、著者の梅原は「空海の風景」を痛烈に批判して司馬と絶交したことがあると知った。最後の「人間弘法大師を説く十章」は圧巻だった。2015/04/27
90ac
36
「空海の風景」を読み終わった後、最澄さんが何となく惨めに感じたのでこの作品を読んでみた。日本の仏教の礎となった仏教総合大学を創った素晴らしい人ですね。カリキュラムも良く考えられており、空海さんから経典をたくさん借りたのも、教科書をたくさん後世に残す意味ですごい業績だと思います。後半は前半と重複する文章が多かったのが残念です。第二部では密教の“即身成仏”の意味が始めて分かりました。また、密教の教義のすべてが集約されるという“吽字義”についての説明はかなり難しくお手上げです。空海さんの凄さを改めて感じました。2019/07/14
あんさん
13
最澄と空海。二人が平安初期に現れたのは日本にとって幸運だったのだろう。私の印象では、最澄は学びと教育の人で、空海は超マルチな天才。ただ、空海のいう即身成仏はイメージは素晴らしいものの、原罪のある人間にはどんなに修行しても到達できないのではと思ってしまう。その点は最澄の「善行を積めばこの世で仏になれなくても遠い将来には仏になれる」のほうが理解できる。空海からすると最澄の天台宗は古い奈良仏教のものらしいが。自然と人間が平等と見る、日本仏教の「山川草木悉皆成仏」の始まりが何となく分かった。2024/12/29
こだまやま
6
伝記の部分はスラスラ進んでしまうのだが、空海や最澄の著作や思想の中身の解説になると途端に話についていけなくなってしまった。だから何も理解してないにひとしいのだけど、せめて2人がどうして語り継がれてきたのか、どんなふうに解釈されてきたのか調べることから始めようかな。2025/01/07
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