内容説明
桃太郎や白雪姫、花咲爺、かちかち山、七夕のおはなしなど、誰もがよく知っている昔話、伝説、神話は、それぞれに人生の知恵を持っている。そんな「おはなしの知恵」を、臨床心理学の第一人者が新鮮に読み解き、家庭内暴力、思春期、親子関係など、現代人が抱えている社会問題を深く、鋭く考察する名著の新装版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
量甘
6
昔から読み継がれている「おはなし」に秘められた深い知恵を読み解き、母性、自立、親子関係などなど、現代人が抱える悩みを考察する。『絵姿女房』『まっぷたつの男の子』がとくに印象深かった。「おはなし」に秘められた知恵には、生きていくためのヒントがたくさん詰まっていた。2021/02/27
klu
6
暑い夏の日に読むにはちょっと面倒くさい・・・なんて言ったら失礼かな??2017/07/17
みか
6
おはなしは今迄私が考えていた以上に人間にとって大切なもののようだ。振り返ると神話や童話などに興味を持ちながらも、どちらかというと科学的、現実的、合理的な話を信仰(?)してますという風な顔をしてきたように思う。この本で河合隼雄さんにおはなしの大事な役割を教えて貰えて良かった。 昔話とか神話とか、あらすじを簡潔に書いたものを読むと誰かの夢を覗き見ているような気持ちになった。おはなし(神話)と睡眠時に見る夢とは凄く似ていると感じた。2016/06/19
かがみ
5
人は誰しも自身の生と死を了解する上で「おはなし」を必要とする。本書は神話や昔話などの「おはなし」が蔵する深い「知恵」を臨床心理学の見地から詳らかにしていく。様々な「おはなし」を1人の人間の内界での出来事として読むとき、そこにはこれまでとは違う「おはなし」の姿が立ち現れてくる。現代は「正しいおはなし」の失墜した時代と言える。こうした意味で現代は確かに「自由な時代」であるが、それに伴い生じてくる諸々の問題に対処するための力を涵養する上でも本書の「知恵」に学ぶ意義は大きいように思われる。2021/01/13
sasuke
5
2016.6.15「絵姿女房」の話は知らなかったが、夫婦関係の在り方についての河合隼雄さんの解説に納得がいった。一目惚れが相思相愛となって「めでたしめでたし」でスタートしても、そのまま関係性が固定するわけにもいかないのが夫婦であり、実人生なのだということがこの物語を通してスッキリ理解できた。 新婚旅行の次は再婚旅行。そういうふうに変化し続けることが継続につながる。このような心がけでいたら大丈夫なのかなぁ?2017.1.2読了。187ページの分節化をめぐる論考が興味深い。2017/01/02
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