内容説明
「史上最大のベストセラー」には、何が書かれているのか――。旧約と新約の比較やその成立背景、「新約聖書の個人全訳」という偉業に挑む聖書学者の格闘の歴史、作家や批評家がひもとく文学や思想との関係など、さまざまな読み手の導きを頼りに聖書に近づけば、二千年以上にわたって生きながらえてきた、力強い言葉の数々に出会うことができる。「なんとなく苦手」という人にこそ読んでほしい、ぜいたくな聖書入門。※池澤夏樹氏執筆の「II 読み終えることのない本」は電子版には収録しておりません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ハイランド
46
聖書にまつわる文章集。この本については「神を信じないクリスチャン」田川建三に触れることが出来たことに意味がある。いやはや物凄い硬骨漢である。キリスト教は興味はあるが、その歴史や独善的姿勢を見るとあまり好きではない。しかし西洋というものを考えるときには、歴史・文学・美術・音楽・思想とあらゆる面で無視できないものなので難しい。日本人は漠然と自分は無宗教あるいは仏教徒であると言うが、無節操というか鷹揚というか。個人の信仰の問題はもう少し掘り下げたいテーマ。フランスのテロもそこを考えないと、理解できない気がする。2015/01/17
trazom
32
全体の1/3を占める田川建三先生のインタビュー記事「神を信じないクリスチャン」が秀逸。その他、現在・過去・未来の区別がない旧約のヘブライ語と、区別がある新約のギリシャ語の対比、なぜローマの司教は聖書のギリシャ語でなくラテン語で話すかというルターの問いなども興味深いが、橋本治さんの「聖書はちゃんと読んだことがないのです。読もうとしていつも挫折する。その理由は命令されることに疲れるから。聖書って基本的に命令の言葉で綴られているじゃないですか。」という言葉が印象に残る。子供の頃の私も、全く同じ感想を持っていた。2014/10/11
Aoyama Satsuko
28
率直に言えば、タイトルと内容が少し違う印象でした。各々聖書の研究者たちと彼らの聖書との出会いのような点が多く、これから聖書を読んでみたい人に向けている訳ではなさそうです。エッセイであったりインタビューに近いもので、研究者からの聖書に対する視点は興味深かったです。2018/12/16
松本直哉
27
新約聖書学の田川建三がザイールの大学で教鞭をとったときの回想を興味深く読む。旧植民地の貧困と差別のなかで「貧しい者は幸い」の聖句を教えることの白々しさ。聖書に恣意的な意味を読み込んで神の像を作り上げるのは偶像崇拝となんら変わらないとまで言い切る。「神を信じないクリスチャン」として「存在しない神に祈る」自らを不可知論者という。イエスをありがたく祭り上げるのではなく、アグレッシブな反抗者として描く姿勢は田川自身の生き方と重なる。膨大な注のついた新約聖書個人全訳の完成が待たれる。2015/04/27
樋口佳之
26
積ん読本解消なのだけど、うーん。著者田川建三の本は読んでみたくなりました。2020/06/12
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