内容説明
関ヶ原の役を契機に東西に分断された日ノ本。神豊諸侯連合が治める西では陰陽道が発達して妖(あやかし)が跋扈(ばっこ)し、帝国議会政府が治める東では封神兵器・鬼巧(きこう)が開発されていた。西の独立自治区・京で暮らす医学生・竹中光太郎は、貧しいながらも学問に打ち込む日々に幸せを感じていた。一方、東の帝国陸軍武官・真田幸成は不祥事を起こし飛騨に左遷されていたが、公武合体を目論む帝国政府元老・井伊直弼の密命を帯びていた。だが井伊は勅許を得ぬまま米国と通商条約を締結、その独断に抗議するため加賀前田家が軍を起こす。そして、この蜂起に端を発する東西合戦で、光太郎と幸成は望まぬまま相まみえることに――幕末を舞台に科学と妖術が衝突する、大河スチームパンク。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっちゃん
88
世は幕末。でもこの物語世界では、関ヶ原を契機に、科学が発達した東、陰陽道が支配する西、と分断されている、心惹かれる設定。そしてこの、どんどんと横道に逸れていきそうな、妙にリズミカルな文体も大好き。登場人物も個性的で魅力的。どんな、科学兵器と妖の相克の展開が待ってるの!?と期待したけど、あれれ、と思っているうちに、超絶技巧のチャンバラで終わっちゃった…選評によると四部作の構想なのね〜では、続きを楽しみに待つとしましょうか。2015/05/14
おかむー
47
“荒い”と聞いていたのでまぁこんなものかなという程度では読めたけれど、うむツッコミ所満載(笑)。『可もなし不可もなし』。妖と共存する西日本と、鬼巧といカラクリを駆使する東日本に分かれた19世紀の日本。「俺の考えた設定すごいでしょ?」とドヤ顔が透けてる割に活かせていなく残念。肝になる妖と鬼巧によるアクションが終盤まで登場しない持ち腐れ。漢字を過剰に詰め込んでる割には中盤から唐突にカタカナが混じりまくってなんだこりゃ?クライマックスの対決は一手ごとの描写が無駄に過剰でテンポぶった斬り。とっちらかってるなぁ…2015/03/07
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
33
幕末スチームパンク。 関ヶ原の合戦以降東西に分断され、東国はエレキテルで「鬼巧(カラクリ)」が発達、西国は陰陽道で妖と連携。 黒船来航で泰平の世は終わりを告げ、再び日ノ本統一の為に科学対妖術の戦いが始まる…。 ものすご~く好きな世界観でした!! SF ではありますがアニメ的で読みやすく、歴史好き、和風ファンタジー好きにもオススメ。 ラスト近くの戦いは、何となくスーパー歌舞伎のイメージ(笑)。 しかし、コレまだまだ続くんですよね? 鴉龍の彼らもどうなっちゃったのか心配~☆2015/06/15
キキハル
24
大河小説SF風味の本作。講談口調で語られるのは、日ノ本を二分する西国と東国のせめぎ合い。西の妖、東の鬼巧。黒船ペリーが来航し、尊皇攘夷か開国か。揺れる臣民、思惑は入り乱れ、騒乱は戦へと進む。鴉は羽ばたき、龍は吼える。天は明日には晴れるのか、乞うご期待! というわけで、一冊で終わっていないことに吃驚!ふんだんに盛り込まれる情報や言葉数が多く、本当に面白くなってきたのは最後近くになってから。興味深い人物や、肩入れしたくなる人もいてなかなか楽しい。次はもっとストレートで派手な戦いが見たいものです。2015/01/09
ケンケン
23
(381冊目)2015年の一冊目、奇想天外な設定と膨大な情報量そして国語力を試すかの如く繰り出される熟語・漢字の雨嵐に、若干疲れ申した。戦闘シーンがもう少しスッキリと切れ味よく描いてもらえたら、読みやすいのかな…? しかし、新人と思えないストーリー展開ではある! 今後の活躍と続編に期待したい作家の一人に記憶しておこう。 地元の地名や史跡が登場したのは、やっぱ嬉しいもんですな♪2015/01/01
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