内容説明
大人には何が何だか分からないこどもの世界。ゆえに、これは難解な絵本。不朽の大人のメルヘン。いとうせいこうの最高傑作との呼び声高い、異色作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shizuka
52
子供の日常や考えていることを、あえて難しくまどろっこしく文章にしたらこうなるんだろうね。小学生となった熊楠くんと折口くんと柳田くんの一編が面白かったな。折口くんが言う「柳田君、ぼくんちの風習をこっそり教えてあげるね」「え!うん、是非教えて!」「柳田君ってほんとうに風習が好きだなぁ」「うん、フウシューフウシューフウシュー!」って。でもって熊楠くんがかっさらうオチ。にやにやしてしまう。ここまで軟化して書けるってことは、それほどまでに精通してるってことだよね。いとうせいこうの凄さを実感。全94頁。軽く読めます。2017/02/23
アナーキー靴下
50
BOOK☆WALKERコインが欲しいのに9月は全然読めず、残り時間が限られているので絵本で冊数を稼ごうなんて不純な計画を立てている。しかし本書にもある通り、大人にとって幼児向け絵本は難解「一見して猿の尻であることが明白である絵に、わざわざ「さるのおしり」と書くことの実験性を、我々はいかに評価するべきなのだろうか?」は至言だ。そんな憂慮を再認識し、そうかこの本の難解さは大人にとって癒しかと思いつつ読むが…うーん、本書の意図はパスティーシュの解体とのことだが、私には元ネタがわからないものが多く、癒し効果薄。2024/09/22
樽
4
Kindle Unlimited 子供の世界を大人の言葉で語り直すアイデアも面白いけど、それをあの手この手で本一冊分書いちゃうのがすごい。2022/09/29
よウンコ
2
いとうせいこう作の、すでに絶版になった絵本。母が偶然ラジオで情報を聴き、私に教えてくれた本です。 見開き1ページずつの話。子供が主人公で、出来事や思いはみな子供のものだが、表現が難解で、そのアンバランス加減が面白い。一気に読むことはできなかったが、毎日少しずつ読み、楽しめた。2012/12/28
麦焼酎
1
うん、確かに難解。わたしが大人になりすぎたせいか、はたまた著者が病んでいる時期に書いた(描いた)せいなのかは謎だが。ボタニカルライフのイメージで読んではい・け・な・い2023/12/28