内容説明
根拠のない不安感、急に襲う落ち込み……。心の患いから脱出しようと努力をするが、全然気分は晴れてくれない。心という不思議をとらえ、「ポスト癒し時代」を晴れやかに生きるヒントを綴った異色エッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
31
春日先生の軽妙なエッセイ。産婦人科時代のエピソードがなんだか、どれも怖い。医者も人間なのに、病院にいくと人間扱いせずに見ていると気づく。いいのか、悪いのか。さらっと、カウンセリングを通しても認知を変えられないケースもあると書いてある。 こういうのが、怖いなぁ。2019/01/01
澤水月
26
3pくらいの掌編エッセイby自分もいつ狂っていたかと常に考え適度に患者に寄り添う春日武彦節全開。裏本の女性、性交しながら笑う写真が1枚は入っているわけ。なぜか統合失調症の女性の妄想に岸恵子が立て続けに登場。私(春日)はマジックショーの助手になりたい。キヨスクの中から殺到する客を撮った写真ほど怖いものはない。浮上に失敗した潜水艦の部屋を調べると必ず引き出しが全部開いている、わずかな空気を求め…。実に興味深く著者のスタンスに心休まる。たまたまカバー下にメアドの走り書き、お題の一つ瓶の手紙のようで興趣深かった2015/05/18
TsumuRi
4
著者のエッセイは、これまで読んだことのある分は、シビアな部分もありつつの軽妙さやシニカルな笑いがよいと、個人的には思っているのだけど、これに関しては不思議と読めば読むほど閉塞感と不快な脱力感が支配する森の奥に誘われていくような、なんともげんなりした感じを覚えてしまい、読むのがたいそうしんどかった。読み終わってほっとした。2012/08/07
林道真衣
3
何をやっても癒されない精神科医の日常。本業をたくさんやって、しかもこうして本まで書いて、忙しくしていないと落ち着かないというお医者さんの、イライラの多い日々の記録。2015/04/06
みーすけ
3
春日先生の不思議なエッセイ。帯に「生きづらさに悩む人、必読」とありましたが、余計にグルグル悩みそうでもある。セブンスター系統のタバコの香りやオムライスにドミグラスソーズ、しゃぶしゃぶのゴマたれが風邪をひいたときの味に近いように思えてダメというのは何だか可愛いく思えてしまいました。風邪をひいたときの味・・・・・・・・・・ここ数年風邪をひいてないので忘れてしまいました。2013/08/18