内容説明
愛車のルノーを駆って都内を走行中、雨やどりをする女子高校生に「乗りませんか?」と声を掛けてしまう著者。デコボコの国道、国鉄の花形・蒸汽機関車、振り袖のスチュワーデス……。1950年代の交通文化が甦る、乗り物の楽しさ満載の爽快なエッセイ。文庫化にあたって、悪路の東北を自動車で一周した「一級国道を往く」の後日談、「二十二年目の東北道」も収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ドナルド@灯れ松明の火
16
宮脇さんの推薦書。なるほど面白い。鉄道というより旅に関わる自動車や飛行機、船の話もあり興味深い。肝心の鉄道は蒸気機関車の機関士の独白形式で実態が語られこれは宮脇さんの作品以上に感心した。また、昔の国道の酷さは想像以上だった。お薦め2017/01/10
roatsu
15
面白い一冊だった。昭和30年代、車社会が到来する前夜の東北・北陸の道路事情や、民間航空会社黎明期だった日本の空旅の様子など歯切れよく明晰な文体と豊かなユーモアで語り伝えてくれている。昔の道のひどさは父からも聞いた通り。執筆旅行の20年後、見違えるようになった東北道・北陸道を再訪するくだりも楽しい。海外渡航が自由でない時代に米国やインドのゴアまで旅し、現地を見聞するバイタリティと物怖じのなさはやはり戦前派の気骨と海軍魂だろうか。成熟した精神と稚気を忘れないユーモアを備えた本当の大人が書く素敵なエッセイ。2015/12/16
RYOyan
13
ある意味マニアックな乗り物好きには堪らない体験をしているけれど、あまりに過酷な行程にやっぱり心と体はついていけない。ユーモア溢れる旅紀行モノ、懲りずに何度も旅立ってしまうところとか、誰かを巻き込んじゃうところがまた面白かったなぁ。2017/01/28
きあ
11
乗り物好き阿川先生の紀行文。阿川先生がテツ分豊富なのは知っていたが、その他の陸海空の乗り物全般に詳しいのは本書で初めて知った。日本初のスチュワーデスさんの語りがとても面白かった。一番身近な東北道の新旧対比は凄まじかった。旧の方はまさに命がけの行程で一週間の自動車旅。22年ぶりの同行程は快適そのもので、余裕をもちさまざな場所を巡りながらも五日目の午後には帰宅している。ただ道路状況は格段に性能アップしているものの別の問題が発生。渋滞だ。22年前には考えられないような車の台数に辟易する阿川先生。2019/06/18
はち
8
かういうクラシツクな時代の作品は好きである、とつい旧仮名で書いてしまいたくなる。1950年代の道路状況の悲惨さ!今であればこんなことはないのだろうが、50年代であればもうこんなもんだろう。まるでインドの山奥のようなもんだ。それ以外にも機関士やスチュワーデス(今ではこの言葉も使いませんね)に取材した小説?やゴア紀行など。2015/08/04
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