集英社単行本<br> ジャスミンの残り香 ――「アラブの春」が変えたもの

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集英社単行本
ジャスミンの残り香 ――「アラブの春」が変えたもの

  • 著者名:田原牧【著】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 集英社(2014/11発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087890051

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内容説明

アラブの春は、宗教勢力の反動を呼び、中東は未曾有の混乱に陥った。“あの「革命」は徒労だったのか?” ムバラク政権崩壊から三年。人気の絶えた広場に再び降り立ち、革命の意味を模索しながら無残な失敗とも思える出来事について考察する。著者の堪能なアラビア語は、人々の本音を次々と引き出す。ジャスミン革命と紫陽花革命の比較等、3.11後の日本を考える上で示唆的な内容も含む。第12回開高健ノンフィクション賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

59
第12回開高健ノンフィクション賞受賞作。チュニジアで一人の貧しい野菜売りの青年が警官に暴行され、抗議の焼身自殺を図った事件を契機に起こった「ジャスミン革命」。アラブ各国に席巻していったこの「アラブの春」という激動の始まりから、その後のイスラーム武闘派の復活による「イスラーム国」の建国宣言まで、この地で取材を重ねてきた田原氏がリポートする。ちょうど、日本では紫陽花と命名された日本の脱原発運動が起こっていた。「間違っている」と声を上げても無視されるような体制の下では、人は自らの存在を確認するために怒らねばなら2015/07/08

ころりんぱ

46
中東の事、ほとんど知らなくて、アラブの春とかジャスミン革命とか、イスラーム国の事、すごく難しかった。ただ、日本とは全く違う政治環境、宗教感覚の地域であることは文章を追えば分かるし、どうやって革命や内戦が行われてきたか、市井の人々の変化、そして現在の不安定な状況もなんとなく知ることができた。世界の平和は大事だけど、日々変わっていく中東の情勢を全て把握することはその道のエキスパートでも無理だと思うし、そこに事あらば自衛隊を派遣なんて事になったら誰が責任をとれるんだろうか?無茶でしょ?と思った。2015/03/26

ねこ

20
読み応えのある本でした。今まで中東に関する本や記事をいくつか読んできましたが、この本に関しては著者がしっかり現場に行き目で見て肌で感じたことが書かれてるのですごく良かったです。日本についても絡めて書いてあるので、中東だけでなく自国についても考えさせられる一冊となりました。2015/02/06

ハチアカデミー

15
チュニジアの「ジャスミン革命」から派生した「アラブの春」は、中東~北アフリカの国々をどう変えたのかの報告。独裁政権への不満が革命の火種となり、国民の声は政権を打倒した。しかし、その革命が他国へ派生していく中で、複雑な各国の事情、諸外国の事情と絡み合いながら、政治に利用されてしまう。そして、やがてイスラム原理主義者にとっての春ともなってしまう。「時代の渦中においては、危うい一線は踏み越えてからでなければ気づかない。日本社会も戦争と徹底した不服従の時代に入りつつある」という言葉が、いま、強く説得力を持つ。2015/02/05

RED FOX

11
2011~2014年の中東各地のルポと所感。かなり生活に根差した取材のよう。ジャスミン革命の後の混乱の臨場感がすごい。私なら初日で死んじゃう。「・・・しかし、負け続けられる民衆がいる限り、そこで歴史が潰えてしまうことはない。つまり、永久の不服従には終幕としての敗北が存在しない。どこまでも人間を鍛え、どこまでも未来へと歴史の糸を紡いでいく。」2018/11/07

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