内容説明
東大の理Iや理IIに入れる実力があるのに、わざわざ他大学の医学部を選択する受験生が増えている。何となく、「医学部を出て医者になれば安泰」という考え方が根強いからだ。とくに西日本でその傾向が強く、名だたる進学校で東大合格者が減っている一方、医学部合格者が激増している。しかし、本当にそれでいいのだろうか?本書は、日本の医療界の「風雲児」と呼ばれる精神科医が、医局の実態から将来の医療ニーズまで、知っておかなければ損する「医者の現実と未来」を赤裸々に描いた一冊。「抜本的改革がなされた臨床研修制度」「医学部に関する限り、偏差値の高い大学に入るメリットはあまりない」「将来の医療ニーズを見据えて科を選ぶ」など、著者が主宰する医学部受験コースの受講生のために書かれたテキストをもとにしているため、その説得力は抜群である。医学部受験生から現役の医大生、子供を医者にしたい親まで、医者をめざす全ての人に贈る本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitya
6
医学生や医学部受験生を対象に書かれてあるが、門外漢である自分も興味深く読んだ。医学の世界はまだまだ古い体質を残していて、医局の問題点等を指摘している。腕のいい医者が外国に出ていかず、育つ仕組みになってほしいと切に願う。高齢化社会になり、医者は総合診療医が求められるようになるなど、将来予測もたてられている。医者の世界を知ることは、患者の立場からしても役に立つことだと思う。2016/02/07
Humbaba
4
日本の医師制度には問題が多い.特に,教授に権力が集中してしまっているため,問題を起こしがちである.しかし,その制度は簡単にはかわらないだろう.すると,医学を志す者は,自分はどのような医師になるのか,なりたいのかを考えて行動するべきである.2010/07/12
両儀式
1
医者にはならないけど後学のために。筆者が精神科医なだけに、医学会のあり方や閉鎖世界のことまで言及はしています。主観なので全て鵜呑みにはできないけど、一読の価値はありました。2015/10/27
小高まあな
1
医学方面に進む予定はないのですが……。まったく専門外だからこそ、興味深かった。なんだかんだで医師は国家試験の合格率高いからいいよね〜、とか言ってて申し訳ないと思う、色々と。臨床ちゃんとやってくださいね(笑)2010/04/07