内容説明
専門家が確信した自立へ最適な教育法
教育の真の目的は、子どもを自立させることにある。現代の子どもに起こっているいじめ、家庭内暴力、引きこもりなど様々な問題は、彼らが自立できないことに起因している。その解決法を確信した専門家の渾身の一冊。
子どもの脳のタイプ別に、それぞれ教育の仕方の違いを提案し、それを踏まえれば、子ども達が大きく道を踏み外すことなく自立できると、著者は語る。
また「なぜ日本の若者は自立できないのか」という問題提起のもと、先進国の教育事情を調べ、そのメリット、デメリットを研究して、初めてわかった日本人にもっとも適した教育法を、本書であますことなく公開する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei
13
各国の教育の長所短所を、世界の子どもたちの学校が休校→再開という世の中の流れの中で再読。ドイツなどは小学4年生である程度進む道が決まるというのもなかなかハードモードではないかと思いつつ、日本的な教育(理解の難しい子にアカデミックな教育を強いる)のも、せっかくの若い期間がもったいない、いいとこどりをした教育が普及すればいいのになぁ。2020/05/21
kei
12
「学び」とは何なのか、ということを改めて考えされられた。大学が職業訓練校のようになることは批判されがちだが、実際、自立できる人間を育て上げるにはどういった教育が求められているのか。昔から教師の間では、学校の授業に ついていくことができる子どもの割合を「七五三」と表現しており、これは小学校7割、中学校5割、高校3割、ということであるそう。せっかくの10代の大切な時間を7割の 高校生は無駄、かつ劣等感ばかり植え付けられる時間を過ごさせられている、ということになる。2018/12/31
ケニオミ
7
以前から日本の教育では「勉強できるエリート」と「できない落ちこぼれ」という二つのグループしか存在せず、「落ちこぼれ」が敗者復活できない、住みづらい社会だと思っていました。本書が主張しているように、勉強ができるできないという尺度ではなく、子供の特性を早期から伸ばせるようなシステムが必要だと思います。また、社会性を伸ばすことについても触れており、様々な習熟度の児童・生徒のいるグループで作業をさせることが、共感性や社会的スキルを高め、いじめを減らす効果があるとのことです。そろそろ教育制度を変える必要が・・・。2013/10/07
くま
6
偏差値的には優秀な大学、一流大学を卒業しても社会では役に立たないと陰口をたたかれている人を何人も見てきた。明治ごろできた教育システムにしがみついている日本に未来はあるのか?社会で起きている事件を見ると、教育にも錆がたくさんついているかのように思える。さて、どこから手を付けていけるのか? 自分に何ができるのか? 考え始める一歩となった本です。2019/04/14
kozue
6
人間は視覚空間型、聴覚言語型、視覚言語型の3種類に分類することが出来て、それぞれ特徴や問題点が異なるので、その子に合わせた教育が必要である。しかし日本の教育は聴覚言語型の人に有利な方法しかとられていないため、特に視覚空間型の子には不利である。一方フィンランドやオランダやドイツ等はその問題を解決し、一人一人に合った教育、職業訓練校の地位の向上(→たとえ勉強が苦手でも自立しやすい)、入学試験を行わずに学力を高めること等に成功している。2017/11/20