ガガガ文庫<br> 灼熱の小早川さん

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ガガガ文庫
灼熱の小早川さん

  • ISBN:9784094512915

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内容説明

小早川さん。仲良くなったらなんになる?

人間関係も勉強もそつなくこなし、万事如才ない高校生となった飯嶋直幸(いいじま・なおゆき)。県下でもトップレベルの進学校に入学した彼は、なに不自由ない学園生活を手にした。

 そんな飯嶋くんの前に立ちはだかったのは、クラス委員の小早川千尋(こばやかわ・ちひろ)。自らクラス委員に立候補し、邪魔なので副代表は不要と言いはなった眼鏡女子だ。席は中央最前列。

 常にテンション高め、キレキレの彼女に、戯れに協力を申し出てみた飯嶋くんだったが、それは思いのほか純な反応で受け容れられてしまった。小早川さんの内面を知った飯嶋くんは、彼女を翻弄しにかかるのだが……。

 Key所属の原画家・樋上いたる氏が企画原案を担当したPCゲーム『Rewrite』では、竜騎士07氏、都乃河勇人氏とともにシナリオを担当。アニメ企画進行中の『人類は衰退しました』、読者はもちろん各界人より絶賛された『AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~』に続く、田中ロミオのライトノベル作品第3弾!

※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

海猫

96
扱っているテーマも良いし小早川さんの放っておけない危なかっしさもかなり萌える。文章にも独特のユーモアや毒も健在。それだけに作品全体に漂う性急さがなんとも惜しく、いまいち入り込めないところがある。前の単発作品AURAが良すぎたのでハードルが上がってしまっているのかも知れないが。なんにしても感情的なり行動的なり爆発的カタルシスが欲しいところ。著者の執筆環境に余裕がなかったんだろうか?2011/09/28

Yobata

54
万事如才なくクラスメイトに溶け込んでいた飯島直幸のクラスに数日遅れで現れた小早川千尋は、校則遵守の正論で他者を圧倒していた。そんな彼女を排除する空気が流れる中、クラス代表に千尋が就任し、復代表に直幸が選ばれ…。ロミオさんの他作「AURA」とは厨二病と圧倒的正義と立場は対極だけど、クラスという閉鎖空間を作り出す“空気”に果敢に立ち向かう点が似てたね。普通ならクラスからハブれるのを恐れ,溶け込む努力をするはずが、頑なに自分の正義を貫き通す千尋に最初は直幸も腹たってたものの、そんな空気,常識は内だけのもの。→2015/10/21

KUWAGATA

53
きっと日本中で似たようなことが起こっていて、その大半はこの小説のようにカタルシスの得られる結末を迎えることがないんだろうなと思うと、ちょっと重苦しい気分になった。ただ、実際には小早川さんのような女の子の存在はきっとまれなはずで、彼女がどうしてこういう灼熱の魂を持つに至ったのか、その辺の描写があれば、物語にもっと厚みが出たかも(ラノベにこれ以上の厚みはいらないかもしれないけれど)。あと、主人公の父親はマジで死ね。こういうことを言う奴が、現実社会では大津の事件の加害者みたいなクズを作り出すんだよ。2012/07/25

星野流人

44
若者……ないしは日本人の多くを縛り付けている“空気”をぶったぎる。そんな感じの作品だった。空気に流されて堕落するクラスの中で、唯一空気を読まずに正義をかざし続ける小早川千尋さんと、彼女を観察する飯嶋直幸の物語。“空気”で安易に行動する大衆の恐ろしさを説いた作品で、非常におもしろい。田中ロミオさんの観察眼が優れているのか、出来事の一つ一つがリアルに感じられた。最終的にはハッピーエンドで終わるものの、一歩間違えればバッドエンドルートまっしぐらで、非常に危ういバランスの上でどうにか上手くいった、という印象の物語2013/02/10

ほーりえ

32
不思議な感じ。さらっと読めて良かったけど、若干消化不良ではある。学級崩壊(?)や、集団行動心理、空気というテーマは珍しくて面白いけど、展開に首を傾げてしまう部分が多少あったのが惜しい。とは言え今まで読んできたラノベの中には無かったタイプの物語で、新鮮でした。2013/10/13

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