ガガガ文庫<br> くくるくる

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ガガガ文庫
くくるくる

  • ISBN:9784094512281

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内容説明

ここには海より深い愛がある。

高校入学式の翌日、語木璃一は登校途中、八重桜の木の下で、一人の少女に出会った。璃一と同じ高校の制服を着た女子生徒。長くふわりとした髪を持つ小柄なその少女は、危なっかしく青い自転車の荷台の上に立ち、頭上へと手を伸ばし、桜の太い枝に荒縄をくくりつけている。それを見て璃一は思った。

「ひょっとしてこれは。首吊りってやつですか」

しかしそのあまりの容姿の美しさに、璃一は彼女が荒縄を首に装着するのをただ静かに見守っていた。やがて桜の花びらが降り、少女が宙に浮かんだ、と、同時にぶちんとものすごい音がしてそのまま落下した。彼女は「げうー」と言いながら、こんな悪態をついた。

「もう百二十二回め! また首吊りに失敗! これはもう呪われてるといってもいいんじゃないかな!」

自殺を試みようとするとなぜか天変地異が巻き起こり、どうしても死ねない少女・なゆた。そんな少女に一目惚れして延々とストーキングする少年・璃一。なゆたは天に誓う。

「いつか必ず死んでみせるの!」

そんななゆたに璃一は叫ぶ。

「ぼくと結婚してください!」

桜の下で巡りあい「括る繰る」でクルクル回る少年少女の不思議な恋物語!

※この作品は底本と同じクオリティのカラーイラスト、モノクロの挿絵イラストが収録されています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ソラ

20
最後になっての急展開は好き嫌いが分かれそうだけど自分は良いかなと思う。本当にラノベらしい作品で、あまり期待してなかったのだけれど面白かった。2019/03/24

くろり - しろくろりちよ

12
なんとしても自殺したいのに絶対死ねない少女・なゆたと、そのストーカー・璃一。「死ねない」設定は個人的には好きです。理不尽に生かされる登場人物。なゆたは死に向かってポジティブ過ぎて、悲壮感はあまりないですが。連続殺人犯・キリングKもなかなかよい味わいを出した設定なのですが、最後があっけないなぁ。くるりと最後にどんでん返しがあったけれど。ちょっとビミョーですね。もう少し、あとで気づくとびっくりするような伏線が欲しかったなぁ。2011/04/21

た〜

9
【ストーカー重視型】死ねない自殺志願の天然少女(ひんぬー)と研究熱心公認ストーカー(自称ワトソン)の夫婦漫才に殺人鬼、と思いきや実は殺し屋さん(クイズは苦手)が絡んで珍妙軽快に話が進んで、と思いきやいきなり謎の怪電波な展開に急変して意味不明に終わってしまった。展開が変わる前後、どちらも悪くはないけれど脈絡がなさすぎ。もう少し伏線を張っておいてほしい。2014/03/08

カシヤ

8
死ねない自殺志願少女をストーキングする主人公という設定に惹かれて。終盤の展開自体は有りだと思うけど、伏線らしい伏線もないので超展開にしか映らなかったのが惜しい。主人公の語りは軽妙だし、エピローグも綺麗だったし……気に入ったところも多かっただけに、うーん。2014/04/26

higurashi

8
かなり好きな作品で、変態爽やか青春もの。最後で突飛な展開になってしまい、ちょっと矛盾を感じたりしたのだが、後から思い返せばそれもまた一興といったところ。テーマは重いはずなのに何故か終始和やかな雰囲気で、Kとのメールでは思わず笑ってしまったw なゆた可愛いなあ。2011/06/21

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