内容説明
美術という直感の支配する領域を、言葉で論じるにはどうすればよいか。感想文の世界にとどまらないようにするには、いかなる方法論があるか。本書では、美術とは縁がなさそうな、司法試験勉強法・「論証パターン」の考え方を使って、過去の名評論を取り上げてアナライズする。名評論は、はたして論理的といえるのだろうか。
目次
総論
1 論理的な表現をするための技術
各論
2 絵画の科学的解釈 ~ ローランの『セザンヌの構図分析』
3 類型論を用いた美術分析 ~ 三浦篤の自画像論
4 ポストモダンの評論手法 ~ クラウスの『ピカソ論』
5 二項対立を使った評論手法 ~ ロウの透明性
6 人間関係から語る手法 ~ 狩野派
7 グリーンバーグの『モダニストの絵画』
8 ベンヤミンの『複製技術時代の芸術作品』