内容説明
「絶対におもしろい」旧約聖書をわかりやすく解説した手引書。
聖書は最高の文学だといわれているが、多くの人は、とはいっても難しいものだと思いがち。しかも、「旧約」は、古い教典のことだとか、カトリック教(旧教)のためのものだとか、誤解をもっていることが多い。一見幼稚とも見える神話の中に、驚くべき永遠の真理と、人生への指針が含まれている「旧約聖書」は、絶対におもしろい、と著者はいう。「旧約聖書」をわかりやすく解説した手引書になっている。姉妹書に「新約聖書入門」がある。
「三浦綾子電子全集」付録として、発刊時の「著者のことば」を収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
75
旧約聖書入門というだけあり、聖書の敷居の高いイメージからはかなりかけ離れた内容になっているような気がしました。旧約聖書のエピソードに絡めた随想録という感じで、著者自身の経験と共に語られるので、聖書をよく知らない人でもわかりやすい印象です。そしてユーモアがあるのもいいですね。ひとつの解釈として、一人のキリスト者の考えとしての旧約論という感じがして興味深かったです。旧約聖書で見落としていたことが意外と多かったことに気づかされました。 2016/07/06
たつや
39
先日教会デビューをした際に、「聖書は毎日3ページ読めば、一年で通読できますよ」と、隣に座った男性に言われましたが、その聖書の大きく分厚いこと。以前、図書館で借りた聖書は小さかった。もう一度勉強したくなり、三浦さんのこの本を読みましたが、分かりやすく読みやすかったです。特に「アダムとイブ」について、罪を認め神に謝罪していないアダムとイブについての解説が分かりやすく、自分も気づかずに人に迷惑かけてそうだな、と反省しました。2016/09/05
ちゃりんこママ
35
旧約聖書のロトについて忘れていたので、ソドムに居た「ロトとその娘たち」の章を読むと、BL流行りに乗っかってる自分が申し訳なくなります…けども。ソドムの男達はハードゲイばかりだったようで、ロトが匿った2人の美しい天使を集団で襲いに来るんですよ…まぁ怖ろしい。三浦先生流のダビデとサムソンのお話も大変面白いです。2014/10/30
Nobu A
30
三浦綾子著書6冊目。84年初版。実はユダヤ教やキリスト教に興味がある訳ではない。我々日本人にしろ信仰心の強弱に関係なく宗教の影響は受けているはず。宗教の理解なしに他者、特に外国人の理解はない。敬虔なクリスチャン、しかも作家が繙く旧約聖書入門なら理解促進するだろうと期待して図書館から借りてきた。数年前に関連書は読んだはず。でもうろ覚え。読書中、アマゾンでワンクリック購入。自問自答しながらの考察が分かり易かった。と言っても本質を掴むには繰り返し通読しないといけないのだろうな。残念ながらそこまでの熱意はない。2025/02/27
koji
22
旧約聖書の物語は、形をかえて映画化されたり、小説化されたりしているので、なじみ深いものが多くスッと入っていけました。さて旧約、新約のあらましを三浦さんの言葉を借りて読み終えてどう感じたか。大外れ覚悟で感想を書きます。①私が幼い頃から両親、学校から教えられてきた道徳的生き方は、原罪・福音を教えられていないにも関わらず聖書と根底で通底すること、②聖書の原罪・福音思想は、欧米の資本主義・民主主義と相当矛盾したものであること(極端ですが共産主義の方がより聖書に親和的に見えます)。2022年に掘り下げたいと思います2021/12/30