内容説明
日本の近代文学史を彩るキラ星たち。そんな作家の代表作を短篇中心にコンパクトな一冊に収める文学全集。各巻に詳細な年譜を附す。本巻では、近代短篇小説の可能性を広げた著者による歴史的題材を基にした主要な作品をはじめ、遺稿として死後に発表されたもの、詩、発句までを収録。全篇を通して大正時代の文豪の芸術的・精神的変遷を辿ることができる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いなぎ
5
一度は普通に読んだ後、研究論文をあれこれ読んで「へえ、そんなもんか」と思ってみたり、よく知らない言葉は全て辞書で調べてみたりして、がっつり楽しんで読んでみた。これはこれで面白かったんだけど、びっくりするぐらい進まないので、たまーに気が向いた時にやる程度にしておこうと思う(笑)2023/02/13
いなぎ
5
一周目は普段通りに、二周目は馴染みのない言葉を片っ端から辞書で引きながら、三周目はJ-stageに転がっている論文を適当に漁りながら、という読み方を試し中。感想は三周終わった後に。2023/01/11
へいへい
3
改めて読んでみると、頭いいのになんだか残念な人という印象が強まる。そばに居たくはないが、嫌いにはなれない。今でいうと厨二病って馬鹿にされるんだろうなこういう人。そういう生き方は35歳ぐらいが限界だったんだろう。そんな年齢を越えて、ようやくこの人の小説が面白いと感じてきた今日此の頃です。2016/09/22
緑
3
「羅生門」などの代表作から、薄暗い話ばかり書いている印象があったので、「蜜柑」のような温かさを感じる話も書いていたのが意外だった。「蜜柑」「杜子春」「魔術」「地獄変」が好き。表紙のイラストは羅生門だと思うんだけど、何で収録されてないものを表紙にしたんだろう。2015/06/18
るい
3
ずば抜けて『河童』が好き。「ガリバー旅行記」のような風刺小説とも読めるけれど、その中には、自殺2ヶ月前という芥川自身の狂気と人間観が詰まっている。芥川の言葉、考え、物の見方にとても魅力を感じる。他にも『鼻』『地獄変』『藪の中』など、読み応えのある作品が好き。2010/12/31