出版社内容情報
腹いっぱい食べているのに日に日に痩せてゆく、あるいは体にウロコが生える─轢き殺されたジプシーの呪いが事故関係者達を襲う
内容説明
痩せてゆく。食べても食べても痩せてゆく。老婆を轢き殺した男とその裁判の担当判事と警察署長の3人に、ジプシーの呪いがつきまとう。痩せるばかりではない、鱗、吹出物、膿…じわじわと人体を襲い蝕む想像を絶した恐怖を、モダン・ホラーの第一人者スティーヴン・キングが別名義のもとに、驚嘆すべき筆力で描きつくした傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
散文の詞
160
ジプシーにそれだけの力があるかどうかは置いとくして、単純に考えると、痩せることが一体、どうして怖いのかと思うのだけど、よく考えると死へ向かうってことだから、かなりの恐怖なのかもしれません。結果的に、老婆を轢き殺した男とその裁判の担当判事と警察署長の3人にジプシーの呪いがかかります。体中に鱗やニキビがでる二人は一体どうなったのか?結果的に、主人公は、そのジプシーと対決しますが、その頃には、気持ちに変化が起きているみたいで、その辺りの表現はうまいですね。結末はB旧映画みたいだったけど、思った以上に面白かった。2020/12/08
Tetchy
135
肥満の問題は現代社会の最大の関心事と云っていいだろう。しかし本書の主人公ハリックは全く逆。彼はある過ちからジプシーの老人に呪いを掛けられてしまったため、食べても食べても瘦せていくようになる。実に羨ましい限りだが、これがキングの筆に掛かるとこの上ないホラーになる。社会的な人間と非社会的な人間ジプシーが交錯した時、キングは敢えて呪いという古めかしいモチーフを用いた。そしてこの2人の関係はどんどん悪くなっていく。それは人間は共存できる、人類皆兄妹といった明るい社会形成を促すスローガンを嘲笑っているかのようだ。2018/12/02
mocha
82
スティーヴン・キングの別名義作品。ジプシーの老婆を轢き殺した呪いでどんどん痩せていく主人公。章タイトルが体重の数字になっていて、カウントダウンみたいにじわじわと恐怖を煽る。でっぷりとしたお腹には、悪習だけでなくステイタスも蓄積されている。事件のもみ消しに関与した裁判官と警察官の身に起こった呪いはもっと凄まじい。全体にᗷ級映画的な雰囲気が漂っていて面白かった。2021/08/08
ポルトン
47
自身起こした交通事故が切っ掛けで、ジプシーから呪いを掛けられた弁護士の話。 毎日、毎日少しずつ痩せていく…。 ジプシーの呪いを解くために弁護士ハリックの戦いが始まった。 ハリックの友、ジネリがカッコイイ♪ ただ結末は…。 呪いの結果が怖すぎた:( ;´꒳`;):2019/09/29
カムイ
33
この頃のキングは出版するのに一年に一冊という契約を結んでいた為、別名義で本を出す事になる。シンプルに怖い小説だ、乗りに乗ってるキングだから切れ味鋭く恐怖のどん底まで突き落としてくれちゃいます、唯、痩せるだけだがこれが、鏡を見るたびに主人公に同情してしまう、結果、ジプシーを怒らすと手痛いしっぺ返しを食らうということだ。★5点満点2016/06/04