内容説明
自らの夫婦生活を素直に、ユーモラスに語りながら、人生を深く見つめた随筆集。
「肺結核と脊椎カリエスで9年来臥ていて、今もなお、ギプスベッドに絶対安静で、ときどき喀血する。年齢も2つ上で、美人ではない。枕もとには死んだ恋人の写真と骨が飾ってある。いつ治るかわからないが、ぼくは彼女が治るのを待って結婚する。治らなければ、ぼくも結婚しない」という、考えれば考えるほど不思議な光世さんと結婚した著者。「悪妻の見本」という著者が素直に、ユーモアあふれる語り口で、人生の送り方を深く見つめた随筆集。本書のことを記した「随想・地球の上にある」を付録として追加。
「三浦綾子電子全集」付録として、本書のことを記した「随想・地球の上にある」を収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
112
読書仲間からオススメいただいたエッセイです。夫婦のあり方というか、絆みたいなカタチを描いてますが、とてもたやすく真似できるようなレベル?ではありません。それだけ夫婦間のお互いを思いやり、自然に気遣うスタイルがとても素晴らしいコトだと思いました。それにしても、本作を読んで三浦綾子さんのイメージが大きく変わりましたね。やなりあれだけの文豪なので、さぞかし厳しい方なのかなと思っていたら、意外や意外、割とごくフツーのとぼけた方だったんだなぁと。それにしてもダンナさんとの素敵なエピソードはどれもココロ温まりますね。2018/11/17
じいじ
98
三浦綾子の小説は、まだ一冊も読んでいない。三浦さんって、どんな人なんだろう?と思いながら彼女の初エッセイを読んでみました。自由奔放、天然ボケも加わった頭のいい楽しい女性とお見受けします。病弱だったうえに、高齢での結婚(37歳)でお子さんは授かりませんでしたが「相思相愛」の羨ましいオシドリ夫婦です。ベタベタ夫婦でないのが良いですね。おのろけの数々に一笑し、歯に衣着せぬ物言いに爽快な気分で読み終えました。長らく積んだままの人気作『塩狩峠』『氷点』を是が非でも読んでみたくなりました。2019/09/09
Cambel
34
レビューを楽しみにしている読友さんがいる。その方が読まれていたので、webの試し読みを覗いたらそのまま購入して、その日のうちに読んでしまった。周囲には、結婚して幸せそうな夫婦が少ないもので、この本はそんな荒んだ心を浄化してくれた。勿論、時代背景やキリスト教など、少し実感と異なる部分はあるかもしれないが、普遍的なコトには変わらないかな。「家庭は裁判所であってはならない」肝に命じます。積読『氷点』を読み始めるキッカケになりそうです。私も初、三浦綾子。2019/09/10
akn089
20
タイトルに惹かれ図書館で手に取った一冊。 私が生まれるずっと前の作品ですが、時代を経ても色褪せない本質を捉えた内容でした。 三浦綾子さんが信仰深いキリスト教徒ということで、夫婦の在り方を中心に、『そもそも人間とは?』や、家族の捉え方がキリスト教の訓えに基づいて描かれています。ただ、宗教云々は関係なく人と共に生きていく上で大事にすべきことを知れます。身近な存在だから何をしても良い訳ではなく、身近な存在だからこそ尊重し受容することの重要性に気付かせて貰えました。恋愛、結婚等関係なくあらゆる立場の方におすすめ!2019/06/22
黒澤ペンギン
15
三浦綾子のエッセイ第一作。 こんな夫婦に憧れる。それと同時に結婚は生やさしいことではないと諭されもする。「裁くな」「家庭は裁判所ではない」「口には税金がかからぬ」 ほんとうの謙遜には尊敬の気持ちがないと、ただの卑屈になったり逆に不遜になったりするのだろう。2022/08/10
-
- 電子書籍
- 熱いオークション【分冊】 4巻 ハーレ…
-
- 洋書電子書籍
- Created in Darkness…