内容説明
わたしは柔和な善人顔の青年から声をかけられた。中学の同級生、渡辺くんだった。あの頃と同じ、丸顔に丸い眼鏡。思い出話を続けるうち、もう一人の「渡辺くん」への淡い恋心が蘇った。リバー・フェニックス似の“かわちゃん”、彼は今どうしてるんだろう…。話題の恋愛アンソロジー『I LOVE YOU』収録の珠玉短編、市川拓司が描く幼い恋のその後。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
287
6名男性作家によるアンソロジー。田中永一著『百瀬、こつちを向いて』ですよ。積読コーナーに書籍版の『百瀬、こつちを向いて。』があって。あちゃー。ん? “。”の有無はありますが同じものですよね。登場人物は限定的で良いですが、特に女性人の心の内がよく分かっていなくって。ストーリーの流れは掴みましたので、遠くない未来に読み直したいと思います。個人的にご無沙汰の本多孝好著『Sidewalk Talk』は別れの話で、静かで大人な雰囲気でした。伊坂幸太郎著『透明ボーラーベア』はらいし話と会話の妙を楽しませて貰いました。2025/05/28
kishikan
201
正月三が日はほとんど読書をしなかったので、この本が今年最初に読了した本。キュっと胸が締めつけられるような、味わい深い短編が集まった、良書でした。僕も「百瀬・・・」でこの本を知り、伊坂さんの短編を読みたいな、と思ってこれを手にしたのですが、正解でした。男性作家による「I LOVE YOU」をテーマにした短編集、ということなのでしょう。様々な人がいて、様々なシチュエーションがあるから、愛についてもいろんな思いの形があるんだなぁ、と思ったのでした。女性作家がこのテーマで書いたら、どのような短編になるんでしょう。2013/01/06
masa@レビューお休み中
195
男のI LOVE YOUは、壮大な浪漫なのかもしれない。そこには、センチメンタリズムが含まれているのだ。他にも淡い期待とか、やさしい感傷なんかも含まれているかもしれない。伊坂幸太郎の『透明ポーラーベア』では、姉の元彼と動物園で再会した弟の奇妙な物語を。中村航の『突き抜けろ』では、先輩の木戸さんとの出会いと恋の物語を。本多孝好の『Sidewalk Talk』では、すれ違い夫婦の最後の晩餐の物語を…。男のI LOVE YOUは、一筋縄ではいかない。幾層にも重なった想いが、愛してるにつながるような気がするのだ。2014/03/14
きさらぎ
190
好きだから一緒にいられる期間というのは、案外短いのかもしれない。大人になりいろいろなしがらみがでてくると、一番好きな人と一生一緒にいることができなくなることがある。自分自身にも言い聞かせるように振り返ることがないようにめちゃくちゃ嫌な別れ方もできるし、「すごく好きだった」と言うこともできる。正解なんてないけど別れ方と出会い方はすごく大事なのかもしれない。故人を介して再び繋がったり、そういう関係にはならないだろうと思っていた人と繋がったり。出会って別れてそれで終わりではなくていつかまたどこかで繋がる運命。2017/06/08
takaC
160
完成度高いじゃん。「何も足さない、何も引かない。ありのままそのまま。この単純の複雑なこと…」2013/08/02
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